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投稿者: akiokawato

  • 9月に総選挙 ロシアはこれから荒れ模様

    . 河東哲夫

    最近、プーチン・ロシアがウクライナのドローンに対して劣勢で、今やモスクワや原油積み出し港もかなりやられています。プーチンは「裸の王様」的状況を呈しています。やはり、トランプがウクライナ支援を止めたことが、ウクライナの手をかえって解き放ち、ロシア深部への攻撃をためらわないようになっていることが一番の要因でしょう。

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    米国の支援は止まっても、ウクライナは欧州からの技術・資本両面での支援を受けて、必要なドローンを機敏に開発・投入しています。これまでドローンで優勢だったロシアは、イランのシャヒード・ドローンをコピーして、国営工場で大量生産するモデルであるため、ウクライナがこれへの防御技術を開発した今(撃墜率は高くはありませんが)、新型を容易には開発・投入できないのです。

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    9月には総選挙が迫っているのに、ロシア国内はウクライナ・ドローンの飛来で浮足立ち、公安がドローン電波を妨害するためと称して携帯電話とインターネットの接続を停止したため、これでは生活できないとして、市民の猛烈な不満が高まっています。

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    この1点だけをとらえて、「わが党がここを何とかします」というコピーを掲げた「新人類党」(New People)がにわかに台頭、政権与党「統一ロシア」に迫る支持率をもって、第2党に台頭しています。これはおそらく、政権の息のかかった政党で、真正野党の共産党(かなり政権の息がかかっていますが)に不満票が流れるのを防ぐための当て馬でしょうが。

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    これから、プーチンの退陣、ウクライナの停戦も織り込みつつ、公安系と穏健派の間で隠微、あるいはあからさまな権力闘争が展開されるでしょう。野心をたぎらせているボロージン下院議長やメドベジェフ元大統領の名が浮上してくる可能性があります。

    以上、詳しいことは講談社の「現代ビジネス」に書いてあります。https://gendai.media/articles/-/167102 をご覧ください。
                                   河東哲夫

  • 米国の退潮 そして日本のこれから

     . 河東哲夫

    (これは、トランプ第一次政権の2018 年に書いたもの。8年後の今も、同じようなところでぐるぐる出口のないゲームをやっている。参考になるので、ここに復刻しておきます)

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    米国の退潮は、ベトナム戦争の頃から一貫して語られてきたし、2008年のリーマン危機後はロシア・中国が声を揃えて囃したててきた。しかしいずれの時も、現実のものとはならなかった。中ロ自身がその貿易の多くをドルで決済し、外貨準備の多くをドルで保有している有様では(ロシアは米国債の大半を売却したと称しているが、実際には欧州で保管しているとも報じられている)、彼らの言うことを信ずることはできなかった。

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    しかし米国の退潮を食い止めると称して登場したトランプは、彼自身の政策の誤りで、米国の退潮を却って加速し、表面化させ、破局に導こうとしている

    法人税大減税や金融大緩和で病的な上昇を続けてきた株式市場は上昇要因が尽き、中国との貿易戦争、トランプ政権内の人事の荒れ、来年1月からの捻れ議会の出現等、下降要因ばかり目立つようになって、暴落を始めている。その規模は2008年のリーマン危機の時と同様である。

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    そして、前述のように金利が上がり、社債価格が下がって来ているために、企業によっては社債の償還に窮し、デフォルトとなるところも出てくるだろう。そうなると、信用不安の連鎖からリーマン並みの金融恐慌の再来となる。

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    Kakistocracyという言葉がある。社会の中で最低の能力と品格を持つ者が権力の座につくことを言う。中西部の白人労働者(彼らが、工場=職場が中国、メキシコ等に流出したことを恨みに思い、それまでの民主党支持からトランプ支持に鞍替えしたことが、2017年トランプの勝利を大きく支えた)の苦境を救うことは絶対に必要なことだが、それをわざわざトランプとその取り巻きのような連中にやらせると、ソ連崩壊のようなオウン・ゴールの失敗になる。

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    米国の退潮は製造業の流出によると言われるが、それは中西部では事実だろうが、米国の製造業は全体としては空洞化していない。現在でも米国は、製造業の産出額では、中国に次ぐ世界2位だし、これから中国での製造業の伸びが減速するにつれて、2010年頃に失った世界1位の座に返り咲くことも十分可能なのだ。今でも半導体製造機械ではアプライド・マテリアルズが世界一のシェアを有するし、宇宙・航空・医療・薬品・バイオ・ロボット等の先端分野では、米国の製造業はいとも簡単に(と見える)新製品を世に出してくる。

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    そして中西部の白人労働者階級の生活を改善することは、十分可能だ。彼らは、オレゴンのように労働力需要が上昇しているところに移転する財力をもはや持っていないので(手持ちの不動産の価格が下落しすぎている。と言うか、売ろうとしても買い手がつかない)、移転のためのローンを提供すればいいし、再研修も必要である。

    そして、人口の1%がGDPの40%を独占しているという歪んだ格差構造を是正しないと(累進税強化等)、あるいはその40%分がもっと投資に回る環境を整えなければ、米国経済は活力を取り戻さないだろう。今の米国は、この人口の1%の者による支配構造はそのままに、低所得階層の面倒は日本や西欧諸国の企業(の直接投資)に見させようという、驕ったやり方を持している。

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    以上をまとめると、米国自身が本当に退潮する可能性は低いだろうが、米国が内向きで、世界の安定と発展維持のためにコストを払おうとしない傾向は、これからも長く続くだろう。日本にとって、これはどういう意味を持つだろう?

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    米国退潮と日

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    まず一つ。安全保障面では、「同盟」というものに対して冷淡なトランプの出現を、過度の対米依存を是正する機会としてむしろ活用するべきである。通常兵力では自衛隊の能力を増強し、自力で領土を守ることのできる能力を整備するべきである。

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    しかし日米安保条約を廃棄することは、日本の安全保障環境を急変させ過ぎ、日本の負担能力を超えるのでよくない。安保条約と日米地位協定の改定も、デモと国会での果てしのない論戦を呼ぶだけなので、現行の条約の運営を徐々に変えていくことで対処するべきである。一方、米国が在日米軍を減らすのであれば、思いやり予算は減額するべきだろう。

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    経済面でも、過度の対米依存は(否応なしに)是正されるだろう。2017年日本の対米貿易黒字は7兆円強で、2017年の日本の貿易黒字総額の2兆9072億円をはるかに上回っている。つまり日本は、米国との貿易で大きな黒字をあげて、それで他の諸国への貿易赤字を賄っている。そして対米黒字の80%近くは乗用車であるとされる。事実、米国の街路を走っている自動車の大半は日本製である(うち、かなりは米国産であるが)。これは「やり過ぎ」であり、米国での現地生産を増やす等、是正するべきである。

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    これからの世界では「地産地消」が主流になると思われるので、日本での乗用車生産・部品生産は減少するだろう。日本は輸入をまかなうだけの輸出を確保できればいいので、経済構造を変えるべきだろう

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    日本社会の根本的変動

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    次に、日本の社会はこれらの変化、改革に適応できるかという、最大の問題がある。どの国でも同じだが、人間の多くは外界で起きている変化、混乱は知らないのであり、その中で「世界の変化に追いつくように、変われ」と政治家に言われると、最近のパリでのように暴動を起こすのである。だから変化、改革は、現実の生活でじわり、じわりと起きて行って、市民にとっても政府にとっても消化可能であることが望ましい

    その面で、いくつかの「現場からの否応なしの変化」の芽はある。それは、「有名大学を出て、4月に大企業に就職する。または国家公務員になる」という、戦後数十年間有効だった理想の人生コースが退潮して来ていることだ。

    世界の大企業の中には破綻するものも多くなっており(米国の銀行、GE、日本の東芝等)、インターネットは銀行の事務を劇的に合理化して、「銀行の総合職」という大口のエリート・コースを閉ざしつつある。日本の三大銀行は毎年5000人以上採用してきたが、2019年卒では2000人強に減るようだ(https://asahi.gakujo.ne.jp/common_sense/morning_paper/detail/id=2502)。これは、日本の労働市場のうち上層部を大きく流動化、多様化させるものだ。

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    もう一つ、「現場からの否応なしの変化」は、外国人労働者の増加だ。電車でも商店でも住宅地域でも、中国語、韓国語がとびかい、インドネシア等からのイスラム系女性のヒジャブ姿が普通になってきている。

    .外国人の増加は日本人のマインドを柔軟なものにする上で役に立っているのだが、受け入れ人数は限定しないと、必ず米国や欧州諸国におけるような摩擦が起きてくるだろう。つまり「庇を貸して母屋を取られる」現象が起きてくる。人間は「おもてなし」に期待するよりも、自分で自由にやっていけるようになりたいものなのだ。

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    左右両極端を避け、中庸を

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    戦後の対米依存から脱却し、社会も変化していく時代、日本はよほど価値観、哲学の問題をしっかり考えておかないと、過激な思想に流されるだろう。心配なのは、左右の両極端である。左の極端というのは、過度の分配で成長の芽を摘んでしまう経済政策のことを言う。労働組合が大きな力を持つ、いくつかの野党は、過度の分配性向を自戒し、「使える経済政策」を開発しておくべきだ。

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    右の極端というのは、戦前の超国家主義復活を目指す潮流のことだ。日本では、中央の権力が強力・専制的であったことは非常に稀で、ほぼ常に複数の中央権力・権威が併存している

    明治維新の下で薩長閥が天皇をいただいて作り上げた絶対主義的体制においてすら、強い野党勢力を排除することはできず、僅かに1936年の2・26事件後、終戦に至るまでの9年という短期間だけ、1890年(明治23年)発布の教育勅語に代表される、天皇をかざした超国家主義・軍国主義が日本を支配したのに過ぎない。憲兵や内閣情報局が人権や民主主義を踏みにじった、僅か9年間のことを、これからの日本の基準にされてはたまったものでない。

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    では、日本人が道しるべとするべき哲学は何か。筆者は、「できるだけ多数の人が自分の権利、自由、そして民主主義と良い生活を享受できること」だと思う。別の哲学であってもかまわないし、人それぞれ好みがあるだろうが、要するにそれはわかりやすいもの、実行可能なものでなければならず、決して上から押し付けられてはならない。「自由と民主主義」にしても、米国人がやりがちの、「後れた途上国の人間を啓発するために」上から目線で押しつけるものであってはならない。

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    結局のところ、少し下世話に聞こえるかもしれないが、日本人が常々口にする「ちゃんとしている」ことこそが、日本人の責任感、協調性、人道性、中庸性を体現する最適の言葉なのではあるまいか。因みに、この「ちゃんとしている」は、英語とか他の外国語に一語では翻訳できない。それほど多くの意味がつまっている。

  • 光通信技術IWONは、日本の救世主になるか

    . 河東哲夫

    IWON(アイウォン)というのは、NTTが開発している光通信技術(Innovative Optical & Wireless Network)。

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    光も電波の一種だが、普通の電波に比べていくつかの特性を持っている。まず大容量で長距離の伝達が可能である。データ伝送容量は125倍、それによって電力効率は100倍に向上する。

    電気配線は高速化(周波数増加)や伝送距離延伸をすれば、消費電力が大幅に増加するが、光では消費電力はほとんど増加しない。大容量だから、都市部と郊外のデータ・センターを接続し、あたかもひとつのデータ・センターであるかのように扱う、統合ITインフラの構築が可能である。これは自動運転の「脳」として、効率的なシステムだ。

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    これを、今北海道で建設中の、ラピダスの工場が生産する2ナノの半導体と組み合わせて、日本の優位を築け、とする人たちもいる。つまりAI機能を持つ微細な半導体を生産し、これを自動運転、医療機器、兵器等で活用せよ、というのだ。こうなると、データ・センターから端末までを一体化した高速、かつ低電力消費のシステムができる。

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    しかし同じことは、他国の企業もめざしている。NTTや日本が優位を築けたとしても、それを享受できるのは短期間だ。まあ相撲やテニスの上位陣と同じで、実力は伯仲していて、勝ったり負けたりを続けながら、全体としてレベルアップしていくのだ。

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    CHATは言う。「日本は国民性でimaginationに欠けるから、科学技術の開発競争で負ける」と思い込む必要はない。リスクを取れる体制(金融等)を構築し、社会が失敗を許容するようになれば、十分競争できる、と。

  • 日本の「スタート・アップ」は、企業内部でやっている

    「日本はスタート・アップが少ないから新技術開発で米欧中に負ける」。

     こういう議論をよく聞くし、僕もそう思っていたが、それは大事なところを見落としている。それは、日本は「大企業で終身雇用」が相変わらず社会の主流で、大企業は技術者を不要な程多数抱え込み、「何でも内製」の原則でやっている、ということである。

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    優れた技術者・科学者は、資金・人材集めで走り回らずとも、企業内の人材、資力を使って新技術を開発できる。幹部の了承を取れば、2,3年間、部下まで使ってそれに集中できる時もある。数年前、リチウム電池の開発でノーベル化学賞を受けた吉野彰氏にしても、旭化成のチームの一員としての自分を強調している。

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     しかし大企業は、社内でやっている新技術開発の詳細をしゃべらない。それはもちろん、競争相手に手の内を知られたくないからなのだ。だから、米国や中国のスタート・アップ企業が技術成熟度60点で新製品を発売する時、日本の企業はまだ黙って同じ技術の検証を続けていて、成熟度90点(例えて言えばの話し)を超えたところでやっと新製品を発売する。成熟度90点を超える製品としては、世界で最初の部類に入るのだが、目立たない。目立たないながらも、数年で市場シェア上位に達することだろう。

  • 「文明の破断」

    (これは、2019年4月メルマガ「文明の万華鏡」でのコラム。全然古くなっていないので、ここに復刻します)

                                        河東哲夫

     

     もう15年前のことになるが、草思社から「意味が解体する世界へ」という随筆集を出版した意味が解体する世界へ 一外交官の考察 | 河東 哲夫 |本 | 通販 | Amazonことがある。これはロシア、西欧、米国、ウズベキスタン、日本の社会の変化のもようを綴ったものなのだが、ここで言おうとしたことは、これまでの「近代」世界を支えてきたいくつかの基本的な価値観がその絶対の地位を失いつつある、ということだった。

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    ――17世紀に確立した「国民国家」のいくつかは、民族・人種的な同一性を失い、多民族国家化しつつある。自由や民主主義のような崇高な理念は、米国が武力、あるいは政権転覆工作で旧社会主義・中東諸国に上から押し付け、その結果は混乱と一層の困窮を呼んだばかりか、イラクでは拷問までしたことで(最近はファッショ的とも言えるトランプの登場もあります)、すっかり泥を塗られてしまった。また西欧諸国はかつてギリシャ・ローマ文明を自分の精神的故郷だと定め、学校でギリシャ語、ラテン語、そしてこの時期の古典を学習することで文化的なアイデンティティーを保ってきたのが、これが薄れた(大学進学のための必修でなくなった)ことで、ヨーロッパ人は浅薄で味気のない存在になった。――

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    以上がこの本に書いてあること。これに加えて最近ひしひしと感じるのは、何かが根本的に変わる、パラダイムががらりと変わる、それは文明の転換とかパラダイムの変化というような生易しいものではなく、本当に解体、「文明の破断」、いや「人類という種の破断」とも呼べる、破断の前後では相互理解も不可能なほどの変化、という直感だ。あるいは、これから津波がやってきて、何から何まで攫って行ってしまうだろうという予感、「何をやってももう駄目だ」という一種の虚しさとでも言うか。

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    AIやロボットの普及で一番気味が悪いのは、人間が人間でなくなってしまうことだ。遺伝子工学がどんどん前に進み、人体の外見も中身も人間が変えることができるようになる社会というのは、医療には理想的でも、その他の面では予想しがたいものがある。

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    人間のことを言う前にまず、IT、AI、ロボットが企業のあり方をどう変えていくか考えてみよう。日本では100年、200年と続く企業や商店がよいものとされますが、インターネット、ロボット、AIは企業のあり方を大きく変えていくだろう。大企業という、自分の中に様々の機能を抱え込んだ企業形態は、これから多くの業種で不要、あるいは有害なものになってくるだろう。日本の銀行では既に大幅なリストラが行われている。

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    面白いことに最近では、コンサルティングの大手でも人員の大幅カットが行われているようだ。この頃の経営での課題は、これまでの延長上で組織を如何に合理化、効率化するかという課題を飛び越え、どういう新しいものを開発、生産、販売し、それに応じて業容と組織をどう変えていくかという、テクノロジーの知識なしには解決できないものになっている。理系の知識を欠く多くのコンサルタントは、過去の存在になってしまったのかもしれない。例えば富士フィルムがフィルムを捨ててデジタル技術、及び医療機器・機材生産の方向に大きく舵を切った時など、外部のコンサル企業は有効なアドバイスはできなかったことだろう。

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    話しを人間に戻すと、これからは外見も能力も、両親、あるいは本人の注文次第に遺伝子を変えるということになるだろう。世の中はアラン・ドロン、カトリーヌ・ドヌーブ、或いはアインシュタインやトランプ(?)、身長が3米もあるバスケット・ボール選手、そういったタイプばかり。「常時在コスプレ大会」の様相を呈することとなるだろう。もう何が真実なのか、わからない世界になる。

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    そして、人間の寿命がどこまでも伸びていく社会がどうなるか、それは想像の域を超えている。何歳になっても上司がいる会社、90歳になっても現役で、120歳以上の人達の年金を払わなければならない社会。あるいは80歳になっても子供ができて、それは長子の孫と同年齢であるような社会。頭が千々に乱れて、何が何だかわからなくなる。

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    一方、先進国ではこうしてどこまでも先へ先へと進んでいくのだが、先進国の周囲は19世紀以前の社会、国だらけ。彼らはやっと国民国家の原初形態を作り上げた段階にいて、その国家の力を使って対外拡張をはかろうとし、手近なところにある先進国にはテロや紛争をしかける。日本はこうした国々にやられないように対抗手段を整えようとするうち、自らも19世紀以前の行動様式に堕してしまう、こういう矛盾にも直面している。

  • 現代風枕草子――日本社会のよどみ

    (これは数年前のコラム。今でもあまり変わっていないので、ここに復刻しておきます)

                                       河東哲夫

    今の日本社会、昔の高度成長がもたらした安穏さにどっぷりつかって、何をやっても日本は壊れないと思っている。もろもろのことどもを、枕草子風に綴ってみる。

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    無菌培養

    この頃の若手の役人はどうも、無菌培養された優等生の感じ。政策は頭で作るものだとばかり思い込んでいる。昔の役人たちは業界の連中と連夜飲み歩いて、相手の本音を引き出し、難しい政策でも捩じ込んだものだ。つまり政策を、彼らは腹で作っていたのである。もっと人間臭かった。

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    今の役人は、ものごとをマクロ数字やデータだけで考え、「政策」なるものをでっちあげ、あとは国会、政党、マスコミを相手にこれを通していくことしか頭にない。役人は、実社会に住んでいない。これでは、実効性のある政策はできず、予算を浪費するだけ。

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    知的草食

    そして専門家と称される人たちも、自分の専門からちょっとでも離れると、新聞に書いてあるような、ありきたりの通念でものを割り切る。自分で調べる意欲がない。知的好奇心が少なく、既存の枠内で安穏に飯を食っていくことしか考えない。

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    そしてかなり多くの専門家や役人は脳天気。他人や他国は善意に満ちていることを前提にものごとを考え、行動している。北朝鮮の核開発についても、これが止むに止まれぬ自衛の必要性に基づくものであることを理解、いや「感ずる」ことができない。米国の意向に反して核開発をする国は悪だ、と決めつけている。米国の言うことは正しいことだ、という気持ちが強すぎるのでないか。

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    自信を持つのはいいが・・・

    自分に過度の自信を持っているのも問題だ。日本という国の安全保障の基盤、経済の基盤はもう崩れているのに、気が付かない。高級官僚候補の青年たちも、世界のことはすべて知っていると思い込み、いざ外国に住んでみればものごとは全然違うように見えることを知らない。

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    そして日本の民主主義は異形だ。外向的ではなく、内向的で、社会から離れて自分の小さな殻を守る権利が民主主義なのだと思っている。他の人の都合を考えたり、社会をどうやって良くするかなど考えない。

    例えば、横断歩道をさみだれのように、のべつまくなしに渡っていく。前後左右を見渡すこともなく、安心しきってスマホを見ながら渡っていく。誰か一人が待つだけで、車5台を通すことができるのに、周りのことは全然見ない。見ても、その意味はわからない。自分の都合だけなのだ。

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    インターネットを見ていると、「日本は中国や韓国より民度が進んでいる。礼儀正しい」という意見がゴマンと掲載されているが、朝晩の満員電車で通勤してみたらいい。押し合い、圧し合い、他人は人間ではないかのように、何も言わずに突きのけ、押しのけ、本当にひどい。そして昔はもっとひどかったのだ。

  • プーチンの裸の王様化

    プーチンはこれまで、「ロシアはウクライナでウクライナなんかじゃない, 米国を相手に戦っているんだ」と言っては、国民の愛国心を奮い立たせてきた。しかしそれはもう効かない。トランプ米国は言うことを聞かないロシアへの関心を失って、イランや中国の問題に入り浸っているからだ。

    ロシア市民はそのようなプーチンをあからさまにSNSで批判し始めた。「なんだ。ウクライナが相手なのに、勝てないのか」というわけ。

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    プーチンへの恐怖は消えた。9月の総選挙に向けて「政局」があるかもしれない。

    あとは、以下、「現代ビジネス」に書いておいたので、ご覧下さい。

    https://gendai.media/articles/-/167102

  • 野坂昭如のやけくそソング

                                          

    野坂昭如(あきよし)という作家がいた。エロ小説とか、しきりに無頼ぶってみせるのだが、どこか育ちの良さと、気の弱さは隠せないという面持ち。実際は戦災もからんで随分壮絶な育ち方をした人のようだが(「火垂るの墓」は彼と妹の実話をもとにしている)、そうは見えない。

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    彼が2011年出した、「野坂歌大全」というCDがある。歌詞は能吉利人、作曲は桜井順、歌手野坂という顔ぶれ。どれも面白いのだが、ヤケのやんぱち的雰囲気の「生キ残レ少年少女」は真骨頂。米国のコメ市場開放要求に抵抗する農協に、頼まれて作ったコピーをもとにしている。

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    ――ひどい世の中じゃー こわい世の中じゃー

    信じられるのはオコメだけ

    信じられるのはオコメだけ

    ・・・

    哀しい想い出ハングリー

    ネバネバ・ノーモア・ハングリー

    愛農 愛農 愛農農農 農協― 農協―

    女はアイキョー 坊主はオキョー

    オコメのことなら ノーキョー

    AGRI! JAGRI!

    JAPANのブンカは 田ンぼじゃ 田ンぼじゃ

    AGRI! JAGRI! JAGRI~CULTURE!

    ・・・  ――   (CDSOL-1462より)

    Amazon.co.jp: 野坂歌大全I-AKIYUKI NOSAKA SINGS JUN SAKURAI: ミュージック

  • 人手不足? でも、いる所にはちゃんといる

                                        .河東哲夫

    コロナで多くの人が職を失った。特に飲食業でそれはひどかったと思う。悲観した若い世代、特に若い女性の自殺が増えた。コロナで特に打撃を受けたのは飲食・観光・小売り部門だが、ここには非正規雇用の若年女性が多いからである。

    コロナが明けて、さあジャンプ・スタートだと思っていたところ、今度は人手不足地獄。駅でタクシーを待てど暮らせど20分も来ないのが珍しくなくなった(聞いてみると、地元の西武タクシーが「駅への配車枠」をほぼ独占しているのに、車が、運転手が足りないからだそうだ)。ラーメン屋もマクドナルドも、「自動販売機でご注文下さい」の時代。地方を旅行すれば、ちょっとしたホテルでも従業員は皆外国人。コロナで職を失った人たちが、大挙して仕事に戻ってくるはずなのに、皆、今どこで何をしているのか?

    そう思って、ChatGPTにも資料を集めてもらって書き上げた。

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    増加した正規雇用者

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    まず雇用者数。2020年は正規の雇用者が3550万、非正規が2100万、失業率が2.8%。2025年はそれぞれ3750万と2120万、2.53%。つまりコロナを挟んで総雇用者数は約200万増え、その殆どは正規雇用者、ということになる。コロナの間に正規雇用が増えた構図。雇用維持のために政府は補助金を出したし、介護企業なども非正規よりは正規雇用で労働力を囲い込もうとしているからだ。

    だから、コロナが収束してもっと割のいい職が現れても、簡単には辞めさせてもらえない。そこでこの前問題になった「モウムリ」のように、退職代行のサービスが現れたのだろう。

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    業種毎の明暗

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    コロナ期の雇用者数増減は、業種によって異なった。減少率が高かったのは宿泊・飲食業、次にタクシーなど旅客輸送業で、医療・福祉関係はコロナの最中も増加していた

    そしてコロナ収束後の今、輸送(特にトラック・タクシー)は有効求人倍率が2,5~3倍で相変わらず人手不足に悩み(厚労省「職業別有効求人倍率」。タクシー運転手は最近の賃上げで志望者が少し増えている)、次に建設業が2倍前後、宿泊・飲食業が2倍前後で、いずれもコロナで離職した者たちが戻っていない。

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    製造業はまだましで、有効求人倍率は1~1.5倍程度。事務職がIT、AIに代替されたためか1倍前後と飽和状態を示している。建設業や輸送業は年率3%以上の賃上げで募集ドライブをかけているが、医療・福祉、宿泊・飲食、小売り分野での賃上げ率は低い。つまり利益率が低い業種は必要な賃上げができず、ジリ貧に陥っているのだ。これら分野にはタクシー等、料金規制に縛られて賃上げができないできた業種(最近、緩和された)、過当競争で利益が上がらず賃上げができない業種(コンビニ等)が見られる。

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    因みに筆者のようなライター。これは本当に黄昏業種で、雑誌等の出版がどんどん減っているし、ちょっとしたコラムならAIが無料で書いてくれるしで、クビにならないだけでも有難いと思えと言われかねないから、原稿料引き上げなどとても言い出せない。以上、「人手不足」は社会全体に通ずる話ではない。業種によるのだ

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    以前、「現役世代人口が減るから日本経済はもう終わり」という趣旨の本が出て(2010年「デフレの正体」)、日本人をすっかり意気消沈させたことがある。それから15年。現役世代かどうか知らないが、労働力自体は減っていない。高年齢層、女性の就業率が高まったからだ。建設業や小売業では、外国人労働力が大きな支えとなっている。

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    そしてこれからは、AIに職を奪われる者が急増するだろう。アプリ制作のような知的労働でも、単純・肉体労働に近い部分から、AIは確実に人間を追い出していく。そして、その数は結構大きい。IT ・AI分野では現在、100万近い人間が働いており、うち多くの人員は「派遣」で、AIに置換されやすい。AIは人間関係のもつれなどの問題を起こさないので、現場のシステム・エンジニアにとっては、「部下はAI」の方がよくなっている。

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    このあたり、CHATの意見を聞くと、面白いことに彼(彼女)は必死に反論する。「新しい技術が社会内の格差を拡大したのは、産業革命の時にも起きました。しかし産業革命の時と同じように、ソフトも需要が爆発的に増えていますから、必要な人員は減らないのです。」というわけだ。まあ、今、雨後の筍のように現れているAIサービスの会社(ITとどう違うのかよくわからないのだが)などが雇用を増やすのは確かだろう。

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    というわけで、今マクロでは人手不足はない。むしろ余剰をどうするかだ。宅配便ならAIにはできないだろうと思っても、そんなことはない。人間は働かずに消費だけする存在。つまり消費することで、AI・ロボットによる生産を支える。消費するためのカネは毎月、政府が配分する。こういう超シュールな社会が出現するのだろうか?   

  • 意味が解体した世界

    今、このブログの再立ち上げをしている。以前の資料を渉猟しているうちに、2004年に草思社から出してもらった「意味が解体する世界へ」の序文に行き当たった。2004年に今のGゼロ、近代の価値観の崩壊を予感している。面白いから、ここに再録しておく。

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    はじめ

     もうあれから三十年になる。初めて見るアメリカの西海岸がその白い波打ち際,そしてその奥に延々と続く赤茶けた大地とともに,エンジンがぶらぶら動くボーイング707の翼にぐいぐいと迫ってくる。

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     僕が初めて外国に出たのは,二十三歳の時。それからアメリカ,ロシア,ヨー ロッパ,日本と転々としてきた。今はユーラシア大陸の真ん中,ウズベキスタンで働いている。最初一人でアメリカの大学に放り込まれた僕は,日本で受けた教育は世界でも十分通用するなどと最初は粋がっていたものの,毎日200ページもの本を英語で読まされてからは,いつも何かを急ぐ癖がついた。

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     それより何より,外国に行くまでは日本の全てを空気のように受け入れ,例えて言うなら初詣に行った後クラシック音楽を聴くような折衷文化を当たり前と思っていたのが,外国に行って初めて,明治以後,戦後の文化のあれもこれもが実は借り物であったことを思い知らされ,自分はいったい何者なのだと悩みだす。

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     それにアメリカのホスト・ファミリーの主婦を日本風に「お母さん」と呼びかけて,「私はあなたのお母さんじゃありません。メリーと呼んで」とごく当たり前のことを言われ,ああやはり日本の社会は少しフィクションが強いんだと思い,警察のレッカー車で運び去られた僕の車からカーステレオが盗まれて文句を言いに行けば,「保険をかけてた?何,かけてない。じゃ,どうしようもできないな」と警察から自己責任の原則をたたき込まれして,欧米社会の個人主義の伝統がなぜか日本にはないように見えることも気にかかりだす。

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     で,ある晴れた日に芝生に半日寝そべり考え,「いや,日本はヨ  ロッパでもアジアでもない。日本は日本だ。自分は,今あるままの自分なのだ」と居直ってから,少しは気が楽になったけれど,その後もこの問題は頭を去らない。

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     それから三十年,僕が専門にしていたソ連はなくなり,この七十年間インテリが口角泡を飛ばして議論してきた資本主義か共産主義かという問題も,あっさり片がついてしまった。そして僕が好きだった自由でリベラルなアメリカは,2001年9月11日事件の後はすっかりきっとなって,恐い顔ばかり見せている。自由と言えば,60年代に青春を送った団塊の世代の我々は,サイモンとガーファンクルの歌のような自由の夢を知らず知らずに追ってきたが,気がつけば皆サバイバル競争に懸命で,主義やイデオロギーなどどうでもいい時代になっている。

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     社会はあまりに多様になり,皆の考えていることもまちまちになり,自由などは当たり前のことになってみれば,社会から「意味」というものが消え失せても不思議はない? いや,ここまで社会が刹那的,感覚的になってしまったのは,あのテレビのせいなのか?

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     そんなことを考えながら,僕はこの数年見たこと,聞いたことを書いてみた。それも,皆がこれまで思い込んできたその「思い込み」というやつを少し壊してやろうと思って。思い込みというものは,物事の正確な理解を妨げる。それどころか,国際政治を変な方向に捩じ曲げさえしかねない。

    黒が白となり,白が黒となる現代のこの世界,何か大きな変化が起きている。それが何なのか,僕にはまだ見分けがつかない。でも,横にいろいろな国を比較し,縦に歴史を掘っていけば,そのうちもっと様々のことの意味がわかってくるだろう。

    (これを書いて20年余、今の世界で起きていることの意味は益々わからなくなった。いや、意味を見つけようとすることが、間違いなのかもしれない)