日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。


「まぐまぐ」社から、月刊メールマガジン「文明の万華鏡」第171号を発刊しました。その前文をここにご紹介します。)

「文明の万華鏡」第171号

 (2026年7月22日)

Japan and World Trends  河東哲夫

はじめに

熱い夏がやってきました。気候だけでなく、世界の構造がこわれるのではないか、でも我々には何もできない、という圧迫感、無力感をますます感じています。一つは、米国が国力で中国に凌がれるのではないかという点。中国経済が苦境にあるのは事実でも、他面、AIや半導体など先端技術で米国に追い付いてきましたし、今や米国企業も安価で性能もいい中国のAIに乗り換えています。米国はよほどしっかりしないといけないこの時に、トランプという米国の中でも珍しいほど野卑な人物が、政権を乗っ取り、自分の見栄と私利のために使いまわしている。この二つが何ともしようがありません。

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17日、彼は何日も前から予告した「重要スピーチ」で、2020年の大統領選挙(トランプが敗北した選挙)は中国に操作されており、国民の個人情報も中国に筒抜けになっていると言いました。一部は事実なのでしょうが、そんなことで中国が米国の選挙を操作できるわけでもないでしょう。こう言い立てることは、11月の中間選挙を何とか無効にする布石なのでしょう。

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米国憲法は非常事態条項を持っていません。大統領が独裁者になるのを嫌ったからです。だから、ウクライナでのように非常事態を宣言したままにして選挙を無期延期することはできません。

1976年のNational Emergencies Actは、大統領が国家非常事態を宣言することができるとしていますが、これで連邦選挙の日程を変更するのは難しいとされています。中間選挙をすることは憲法に規定されていますし、具体的な選挙日は州議会が定めているからです。騒擾状態を作り出し、物理的に選挙が行えない状況にするしかないでしょう

ただ、選挙後に、「中国が介入したからこの選挙区での選挙は無効だ」と諸方で訴訟を起こし、訴訟が片付くまでは選挙結果を発効させない、意固地な手は使えるかもしれません。

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もう一つ、呆れてしまったのは、16日、トランプが始め、彼の親族が今経営しているTruth SocialというSNSを経営するTrump Media & Technology Group(TMTG)が、金融機関などに向けて、「トランプ等の重要発言のスレッドを一般よりも数ミリ秒~数秒早く知ることのできる会員制サービスTruth APIを始める、料金は月額10万ドルだ」と言ったとされることです。

例えば、「俺は今度イランに地上軍を送ることにしたぜ。来週から1万人だ」というスレッドを一般より1秒早く知ることができただけでも、株式市場が大暴落を始める前にカラ売り注文を出して、大もうけをすることができるということになるのです。

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自分が米国の政策を決定できる、その政策は株価を動かす、その情報を文字通り売って儲けるばかりか、自分自身でも株式取引をして大儲けする。これは反吐の出るほどの利益誘導、究極のインサイダー取り引きであるわけで、それを悪いと思わない神経。むしろ、こういうことをするために権力を取った。これでは、米国はギャングによってハイジャックされた、ということになってしまいます。そして良識ある米国民、他国の人間は、これをどうともできない。

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ピューなどの世論調査で、米国の評判は多くの国で中国に劣後するようになり、指導者としてはトランプより習近平を評価する向きが増えています。その中で、反中・親米の日本は立つ瀬がなくなろうとしています。

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というわけで、今月の目次は次のとおりです。

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日本が自分のカネを日本に引き戻す時

 (国民の貯蓄が国内で活用されていた戦後経済)

 (バブル崩壊と民営化)

 (アベノミクスが激化させた資金の流出)

 (高市・片山のT・Kラインによる対米しっぺ返し?)

 (何がどうなるか?)

 (「カネの切れ目は縁の切れ目」となるか――日本とトランプ米国)

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エゴ大国たちの傍ら徳を積む日本外交―Power Asia構想

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皇室典範改正

 (万世一系なのか)

 (ユーラシアの中の日本)

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AIデータセンター・宇宙産業投資は異次元経済の到来か、それともバブルか?

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もともとバブルでできた「世界一の米国消費市場」

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