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軍需AI産業革命? 「第一次」産業革命もナポレオン戦争がらみ

今、ドローン、無人兵器、そしてAIでこれらを敏捷に運用するやり方が、ウクライナ、そしてイラン戦争の現場で広がっている。これは、多数のドローンやミサイルを費消するし、今にロボットが歩兵に代わっていくだろう。これらを生産することが、新たな産業革命を起こし得ることが、一部で指摘され始めた。

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そこで拙著「『自由と民主の世界史』―失われた近代を求めて」(藤原書店)の宣伝も兼ねて、19世紀の産業革命はどのように起きたのかを、見ておきたい。言うまでもなく、今とはまったく違う環境で起きている。それは例えば資本について言うならば、中世の昔、地中海諸都市からオランダに流れた資本が、今度は英国に流れてきたこと、そして17世紀後半にはブラジルで金鉱が発見され、これが英国に大量に流入したこと等々がある。だが、ナポレオン戦争の需要(大砲、砲弾、銃、軍艦)が英国の鉄鋼産業を大きくし、産業革命を本格化させたことは間違いないのである。

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まず、拙著では産業革命のあたりの目次はこうなっている。英国の産業革命は、これだけの大きな背景を持っているということだ。

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英国経済発展の秘訣

 (王権の制約と外部からの征服者による利権構造破壊)

 (強い議会)

 (早くからの自営農の増加-権利意識と事業欲)

 (長子相続制の確立)

 (所有権の保証)

 (ハングリー精神)

 (チャレンジ精神)

 (国内市場の充実)

 (国内交通網の発達)

産業革命前夜の英国

 (人口の増大)

 (製造業の発達)

 (戦争と経済拡大)

 (貿易量の増大)

 (産業革命のための「原初蓄積」)

十七世紀の国際政治――英国が先頭へ

 (「ヨーロッパの先進モデル=英国」)

産業革命

 (「産業革命」はあったのか?)

 (毛織物が出発点)

 (失われた「カリブ海の砂糖」ビジネス)

 (綿織物国産化)

 (めくるめく「鉄の時代」:石炭・鉄・蒸気・機械の相乗効果)

 (銀行・金融体制の発達)

 (製造業大国から金融大国へ=「カネで世界中を買い占める」)

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以上の中から、19世紀初めの金融事情についてのところが、以下のナポレオン関連になる。

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―――カネ余りの中の工業化

十八世紀の英国経済は、十七世紀後半からの資金の蓄積と流入で、金持ち達が投資の対象をいつも探していた感がある。一六九二年~一六九五年、イギリスでは株式会社が百五十社設立されている。一七〇三年時点で、株式会社は八百万ポンド相当の資本を集めていたと推計される。これは、GDPが四千五百万ポンド(一六八八年)の時代であった。この株式会社設立ブームは、一七二〇年の「南海」社バブル崩壊事件で一時収束している。

十八世紀末までには、ポルトガルを通じてのブラジルの金(きん)流入が減少する。この時英国は、金との兌換が不能な紙幣を発行して経済を回し始める。一七九七年にはイングランド銀行が金への兌換を保証しない紙幣を発行するようになったし、商業銀行も紙幣を発行、企業も手形を発行してマネー・サプライを増やした。これは、十八世紀末からのナポレオンとの戦争で生じた、戦争特需経済を回すためでもあっただろう。

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戦争で、英国政府は十億ポンドの支出――不正確な表現なのだが、いずれにしてもGDPの数十%に上る――をしたし、二十万の者が軍隊に徴募された。その給料は、フランス兵士の四倍であった。さらに巨大な艦隊が形成され、これらが失業層を救った。これらの結果、英国の価格水準は一七九〇年から一八一四年にかけて二倍になった。

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ナポレオン戦後、通貨体制は整理され、金本位制が戻ってくる。一八一六年、「貨幣法」が採択されて、金本位制が再導入され――イングランド銀行紙幣は金準備高に見合って発行――、一八四四年には「ピール銀行条例」によって紙幣の発行はイングランド銀行が独占することとなった。これにより、価格水準は下降を始め、一八三〇年には一八一四年水準の半分以下に下落している。世界での金の採掘量が停滞していたことも、デフレ傾向を助長しただろう。

このように十八世紀、そして十九世紀初めの英国では、カネ余りの時期が長い。これは、工業投資にはプラスであったことだろう。また労働階級の実質所得は、当初はインフレで低下し、次にデフレで上昇する。ただ、統計が不備なため、詳細な実態はわからない―――。

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17世紀の30年戦争でスペイン、ドイツは沈み、オランダ、フランス、英国が三つ巴で勢力争いを始める。中でも英仏の争いは中世の百年戦争以来の因縁。徴税能力で優れた英国が、結局フランスをしのぐ。

フランス王室は18世紀末、課税を強化するために議会を久しぶりに招集。革命の引き金を引いて、英国との差をかえって広げる。起死回生の一発でエリート層が担ぎ出したナポレオンだったが、彼の敗戦でフランスは元の木阿弥。ナポレオンとの戦争が起こした特需で、英国は産業革命をいっそう進め、フランスとの格差を広げた、ということになる。

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これの続きは、「『自由と民主の世界史』-失われた近代を求めて」でご覧ください)

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