日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。


米国経済(金融)は今、黄信号がついている。国債の出し過ぎで長期金利が上昇、これは米国債の値崩れと財政危機、ドル価の低下を招きかねない上、株価も暴落して米国中産階級の資産を大きく減らしかねないからだ。

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ベッセント財務長官は、日本にあからさまに利上げを求めている(それは高市首相にタカイチノミクスを止めろという意味も持つ)。日銀が利上げをすれば、それは米国でも利上げへの圧力になるだろうからまずいのではないかと思うのだが、ベッセント長官は考えを変えない。彼は、円安が進んで、それがある日急激に巻き戻されると(日銀の利上げ)、資金は米国から日本に急激に向かうことになり、米国の金利を急騰させ、米国債の値崩れを招く、と考えているようだ。円安を「徐々に」巻き戻したいのだろう。

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しかし、金融市場を「徐々に」動かすのは難しい。1985年のプラザ合意では、米日独の協調介入で、「適度のドル安」を実現しようとした。しかし市場は雪崩を打って一方向に動き、円は1ドルに対して合意前8月平均237円から、1年後の8月には平均154円に切りあがっている。

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今、日銀が利上げに動いた場合、それが「徐々の」変化を狙ったものであっても、市場は雪崩を打つ可能性がある。ベッセント長官は出遅れて、既に時宜を失した圧力をかけ続けることで、市場の暴発を招くことになるかもしれない。

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円は実は怖いのだ

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大げさなことを、と思うかもしれないが、日本の円が米国の金融市場で実は大きな役割を果たしてきたことを見ておきたい。日本の低利の円でドルを買って、高利回りの(日本に比べて、の意味)米国債、そしてその他の債券・株式を購入して利益を得る、いわゆる「円キャリー取引」のおかげで、米国の金融市場は延命されてきたからだ。

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円キャリー取引は日本人も外国人も

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「円キャリー」のせいで、円安はどんどん進む。日本の食品価格はどんどん高くなっていく。ドルで測ったGDPでは、世界での日本の地位は無限に小さくなっていく。

いったいこの「円キャリー取引」は誰がやっているのか。外国人だったら許せない。日本人だったら筆誅だ。と思って、調べてみると・・・。

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結論は他愛ないもの。日本人も外国人も「円キャリー取引」をやっている。動機はいずれも、「円よりドルで持っている方が儲かるから」という単純なもの。日本人は「円キャリー取引」で自ら無限の円安を招いていることになる。

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円キャリー取引の規模

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何が「円キャリー取引」なのかというきっちりした定義は難しい。その中には、国際収支統計にきちんと載っているものと、犯罪ではないが統計には出てこない取引の二種がある。

前者には、例えば日本の金融機関(郵貯、年金基金GPIF、農林中央金庫、生保、都市銀行、地方銀行による米国債の購入)による米国債等の購入、後者の代表的なものには、FXで円でドルを買う行為(ドル/円ペアの平均日次取引量は推定で1.3兆ドル)、各種デリバティブやオフバランスの取引、銀行・ヘッジファンドなどによる非公開の取引などである。中にはレバレッジのついている商品もあるので、額面の数倍の影響を市場に与える。

両者が一度に動くと、米国の長期金利は数十bp(0.1の単位)変わり得るものと評価されている。

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この中では、日本の公的金融機関による買い付けが大きな意味を持っている。というのは、2001年の小渕政権が開始した財政投融資改革で、郵貯や年金基金はその資産を大蔵省の資金運用部に全額差し出す義務を免除されたため、郵貯や年金基金は集まってくる金を、利益を求めて米国債等に投資するようになったからである。

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最近でも郵貯は約88兆円、GPIFは約79兆円相当の外国証券等を保有している。ChatGPTに更に細かい集計をしてもらったところ、GPIFが保有している米国債は、2026年3月末時点で36兆8,414億円(2300億ドル)相当。GPIFの総資産の約8分の1に相当する。GPIFはこれを一度に処分することはしないが、大きな重みを持っていることは事実。

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なお、財務省の管理する「外貨準備」も、「円キャリー」の性格を持っている。というのは、1972年に政府への外貨の強制売却制度が廃止されて以来、日本の企業は対外取引で得た外貨を自分の裁量で運営、支出しているからだ。つまり財務省は特別に国債を発行して円を入手。その円でドルを購入しているのである。これは、貿易黒字で円高が無限に進まないよう、ドルを買っていたのだが、今はそれで溜まったドル=外貨準備を少し放出して過度の円安を防ごうとしているのである。

これは、ドルが上がる方向に作用するので、ここで問題にしている無限の円安を生む悪性の円キャリーとは全く違う。

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