日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。


AIが戦争司令官になることがもたらすリスク Palantir社の話し

アメリカ軍は1990年代、Andrew MarshallやArthur Cebrowskiといった人たちの先導で、Network Centric Warfareと呼ばれる先進的な戦闘態勢を構築した。これはPredatorのような大型無人偵察・攻撃機とか巡航ミサイル、地上軍などを通信で緊密に結び付け、情報を本土の司令部に集約。攻撃命令を本土からアフガニスタン等の前線に下す、というシステムで、長らく米軍の優位性を保証してきたものだ。

しかし、以後のアメリカ軍ではイノベーションと呼べるものがなく、兵器開発は少数の大企業が独占して、時間と予算を消費して行う硬直したものとなっている。

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イノベーションはスタートアップがもたらす時代

 Palantir社のAI指令システムTITAN

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 AIが、Network Centric Warfareにイノベーションをもたらした。AIが無数の情報を集約し、分析して戦法を編み出す。どこをいつ、どういう兵器で撃つかの判断をAIが下して、指令を発する。国防省は当初、このシステム開発をGoogleに委託したが、社員の反対で、スタートアップのPalantir社等が受託している。それは、Maven Smart System (Project Maven)とTITAN (Tactical Intelligence Targeting Access Node)の名で呼ばれている。

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今回のイラン戦争ではこれが試用されたようで、米軍はイランの標的を何か所もほぼ同時に攻撃すると同時に、イランからのミサイルやドローンをトマホークなどのミサイルで迎撃した。問題は、標的は人工衛星やセンサーだけでは把握しきれないということ、そして攻撃の決定をAIに委ねると、やたら兵器を費消されてしまうということ(パチンコの打球が自動化された時の気持ちを思い出そう)。

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米軍はだから、イラン攻撃の初期だけで、巡航ミサイル「トマホーク」の在庫の3分の1ほどを打ち尽くし、欧州諸国や日本とのトマホーク供給契約も守れない状況になっている。トマホークだけでなく、種々の兵器・弾薬を大量に備蓄しておく必要がある。

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そして米国以外の諸国もTITANのようなシステムを導入すると、これら諸国も兵器の大量備蓄を始めるかもしれない。(必要もないのに)軍需生産が急増し、世は産業革命の再来のような状況を呈するかもしれない。米国株式市場でのAI株活況は、そこまで(本能的に)見越したものなのかもしれない。

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ウクライナとPalantir社の協力関係

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そして面白いのが、このPalantir社は既にウクライナに出入りして、緊密な協力体制を構築していることだ。PalantirのCEO、Alex Karpは最近、ウクライナを訪問している。かつてGoogleでAI戦法を主導し、社内の反対で辞職してベンチャ―・ファンドを立ち上げたEric Schmidtも同時期にウクライナを訪問している。

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これは、多数のドローンでロシアを襲撃する、最近のウクライナの戦法の背後にこれら米国企業がいることを想像させる。ウクライナのミハイロ・フョードロフ国防相(35歳)はIT分野出身で、米国のIT業界と強い人脈を持つから、彼あたりが主導しているのだろう。但しシルスキー総司令官以下の旧軍人たちは、昔ながらの肉弾戦に愛着を持っているようで、どこまでIT、AI兵器になびいているかはわからない。

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 いずれにしてもウクライナは、イランと並んで、新兵器を試用してデータを集めるのに格好の場になっている。ウクライナ政府はその点を意識しており、データを外国に販売する構えを示している。例えば、ドローンに追われた兵士はどのような逃走パターンを示すか等。

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AIが「核」を意識すると

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「どの兵器をいつ、どこに撃ち込むか」をAIが決めるのは、大きなリスクを生む。AIが「ロシアは核兵器を使うかもしれない。そうならないうちに、どこそこの基地を叩いておこう」と考えると、あっさりとロシアの核基地をたたき(ここは時間の勝負で、早く叩いた方が勝つ)、それによって核戦争の引き金を引いてしまうかもしれないからだ。ここで、人間が介入できる仕組みにしておかないと、いけない。日本のような稟議制は、お断りだが。

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