今のイラン戦争を見ていると、米国海軍の艦船、特に空母がホルムズ海峡に近づかない、あるいは近づけないでいることが目に付く。機雷、あるいはイラン側からのミサイル・ドローン攻撃が怖いのだろう。
この状況を極東に引き写してみると、台湾有事の際、米国の空母が参入しにくくなっていることの他に、極東で重要な役割を果たすはずの海兵隊の戦い方、配備に変化が出てくるだろう、ということになる。
そしてChatGPTに調査してもらったところ、米軍は海兵隊の戦術変更に数年前から着手しているそうで、それは有事に大戦力を送り込むのではなく、事前に小部隊を要所にもぐりこませておく、ということのようだ。
以下が、河東とChatGPTの間の問答である。
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小生質問:
米国海兵隊のことで聞く。安価な無人兵器の普及で、海兵隊が敵地に上陸して作戦するのは難しくなってきた。揚陸艦も、敵の格好の標的となるので、もう使えまい。海兵隊再編が進んでいるという記事を「軍事研究」で見たが、今見つからない。米国か日本の公刊物でそのことを書いているものないか? どう書いてある? この改編が日本での海兵隊のプレゼンスにどう影響を及ぼすか、考えている記事、論文はあるか?
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ChatGPT:
あります。しかも、かなりはっきりしています。ご記憶の『軍事研究』の記事が論じていたのは、おそらく米海兵隊の Force Design 2030(現在は単に Force Design と呼ぶ)→ Marine Littoral Regiment(MLR=海兵沿岸連隊)→ EABO(遠征前進基地作戦) という一連の改革についてのものです。
河東さんの問題意識――「大規模な敵前上陸そのものが成立しにくくなったのではないか」――はほぼ改革の出発点なのですが、海兵隊自身は「だから揚陸艦をやめる」とまでは言っていません。むしろ、大きな揚陸艦+小型・分散型舟艇+無人機+島嶼に潜む小部隊という形へ組み替えようとしています。
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Force Designでは、従来型の大規模地上戦部隊から、軽量・分散・低シグネチャー(敵に探知されにくいという意味)で、敵のミサイル射程内にも潜り込める部隊へ転換する、としています。
具体的には、大型揚陸艦だけに頼らず、小型輸送・揚陸手段で部隊を島から島へ動かす、さらに無人システム、長距離火力、センサーを大幅に増やす、ということです。特に大型揚陸艦については、廃止論とは逆に、将来は有人・無人システムの “motherships” として使う、と2023年版で明記しています。揚陸艦は沖合の母艦として小型艇・航空機・無人機などを展開、あらかじめ島嶼に小部隊を展開しておいて、索敵・対艦攻撃・防空を行わせる、ということになります。
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2025年の米議会調査局(CRS)報告 「U.S. Marine Corps Force Design 2030」では、改革の背景を、対中国・ロシア、とくに中国のA2/AD環境への対応として説明しています。従来部隊を削減し、2030年までに約12,000人減らす一方、長距離精密火力、無人システム、対艦能力などへ資源を移す、という構造です。
大型艦や大部隊を集中させれば敵に発見、攻撃される。だから「集中して上陸する軍隊」から「分散して敵の中に入り込む軍隊」へ変えるというわけで、これが核心だと思います。
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その結果、沖縄の海兵隊はむしろ重要になりました。防衛省『令和6年版 防衛白書』には、まさにそのことが書かれています。「沖縄キャンプ・ハンセンの第12海兵連隊を第12海兵沿岸連隊(12th MLR)に改編。従来の砲兵連隊と違って、対艦ミサイル+防空+後方支援+ISR(情報・監視・偵察)を持つ部隊になる」と説明しています。
新しい海兵隊は「沖縄に何万人も置いて、そこから敵地へ大上陸」という発想ではありません。想定している戦場を単純化すると、沖縄―宮古―石垣―与那国―台湾―フィリピンという第一列島線です。
ここに数百人、場合によってはもっと小さな単位で海兵隊を分散させ、敵艦を発見 → 情報を海空軍へ送る → NMESISなどの対艦ミサイルで攻撃 → 発見される前に移動する。
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つまり海兵隊は、「海から陸へ攻め込む軍隊」から一部、「島に潜伏して海を封鎖する陸上配置の海軍兵力」に変わりつつある、と表現すると分かりやすい。海兵隊は「敵地に上陸する軍隊」から、「戦争が始まる前から敵の射程圏内に入り込んでおく軍隊」へ変わろうとしている。Stand-In Forces なのです。
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この発想なら、台湾有事が起きてから揚陸艦で戦場へ突進する必要がない。平時から沖縄・南西諸島・フィリピンなどに展開しておき、開戦時にはすでに臨戦態勢にある。
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ただし、この構想にはかなり大きな弱点がある。退役軍人たちは、第一列島線内部を移動するための海上輸送能力が十分ではなく、現在の輸送手段では構想を実行できない、と批判していますし、島に海兵隊を置くことはできても、戦闘中の補給が難しいことを指摘する向きもあります。
ドローンとAIによる監視能力が急速に上がると、「小さく分散すれば発見されない」というEABOの前提そのものも怪しくなる。これは今後のForce Designの最大の問題の一つでしょう。
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この構想はもう「将来計画」の段階をかなり越えています。沖縄の第12海兵沿岸連隊には今年6月、実際にNMESIS対艦ミサイルとMADIS対ドローン・防空システムが到着しました。つまり沖縄の海兵隊は現実に「上陸部隊」から「第一列島線内で海峡・海域を拒否する部隊」へ姿を変え始めています。
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これはかなり大きな変化です。従来の「沖縄の海兵隊は台湾有事になったらどこへ上陸するのか」という問い自体が古くなりつつあるのです。




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