平賀英一郎(筆名)という人がいる。「吸血鬼伝承: 生ける死体の民俗学」や「温泉津誌」などを出した、現代の柳田国男とも言える人なのだが、今はインド、それもブータン、バングラデシュ、ミャンマーに挟まれた辺地で日本語を教えている。一種の仙人。
この辺り、どんな感じのところなのか知られていないので、彼のレポートからいくつか抜き出して紹介する。
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まず、ここでは牛が道を歩いていない。ヒンドゥーの要素が薄いということだ。中国人の老人がやっている小さな食堂の壁に、この人はクリスチャンなのだろう、イエスの画像が掛けられている。それに、中国式に(あるいはヒンドゥー式に)線香をあげていた。
教会もあって、その横にイエス降誕の情景が人形を使ってしつらえてあるが、なぜかここのはいずれも馬小屋の前に池がある。
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かくて文化はおおいに交錯しているが、食べ物では納豆に似た発酵食品やタケノコの漬物がある。基層は照葉樹林文化であるらしい。
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授業ではパソコンでスライドを見せてするのが可能だし、電子黒板も来ることになっているのだが、どれもまだ絵に描いた餅。いろいろ体制を整えるのに、時間がかかる。
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街には日本料理屋もどき、韓国料理屋もある。この地域では、多数の言語が乱れ飛ぶ。ある学生の母親は、多民族地区で商売をしているので、カシ語・ガロ語・英語に加え、アッサム語・ベンガル語・ヒンディー語にネパール語・ナガ語と8つもことばが話せるそうだ。日本人は英語一つにものすごく構えるが、人間は必要となれば何でもできる。




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