三島由紀夫の最後の小説「天人五衰」登場人物の本多は聡子から、「(彼女の恋人だった)松枝清顕さんという方は、お名をきいたこともありません。そんなお方はもともとあらしゃらなかったのと違いますか?」と言われ、寺の庭を見て思う。「記憶もなければ何もないところへ、自分は来てしまった」と。
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井上隆史という人はその著書「三島由紀夫 幻の遺作を読む」で、この場を論評して言う。三島は近代という時代が行きついた果ての、究極の虚無を見つめているのであり、それは意味という意味が崩壊する極限状態なのだ、と。
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この脱力感、トランプとか格差とかポピュリズムが破壊してしまった先進国社会を見て、そうだな、と思う。自由とか民主主義とか市場経済とか、近代が成り立っている価値観が雲散霧消。「意味」は消えた。
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(手前みそですが、13年前の拙作もご笑覧を




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