日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。


日本人の「日本縮小論」自家中毒

この頃は何かというと、2027年には日本は英国にもGDPで抜かれ、世界6位に落ち込むとか、いや一人当たりGDPでは既に世界35位くらいだ、日本はもうお終いだ、という手の議論が幅を利かす。これは円をドルに換算して、ドル・ベースで他国と比較しているからこうなる。

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今の日本のGDPを2010年のレート(年平均で1ドル約88円)でドルに換算すると約7.6兆ドルになり、それは今のドイツの5.1兆ドル(但し現在のユーロ・ドルのレートで計算)をかなり上回るのだ。そしてそれ以降の円安は、日本経済の実力が低下したからではない。

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欧米は2008年のリーマン・ショック以降、景気刺激のために利下げをはかった。日銀は当時、金利水準を維持したから、相対的に高金利となって、過度の円高が現出した。2012年末に登場した安倍政権は、その円高がもたらしていたデフレを破るため、果敢な利下げに踏み切る。

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しかしそれは景気を刺激することはなく、円安を招いただけだった。企業は賃金を上げようとしなかったから、人々は商店での値上げに強い抵抗を示し、デフレ傾向が去らなかったのである。

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日本と米欧の間の金利差は開き、日本人は高めの金利を狙って海外への投資を増やし、それによって円安をますます悪化させた。日本の製造業は海外生産を増やしているから、円安になっても輸出が特に増えるわけでもない。乗用車の輸出台数は却って減少した。日本は高値になった原油の輸入代金を払うため、より多くのドル買い付けを迫られ、これも円安を益々進行させた。

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だから、日本は経済小国化しているわけではない。問題は、日本が円安という自縄自縛の罠に落ち込んで、抜けられないでいることだ。

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日本は今年7月にはドル売り介入を始め、8月には米国を協調介入に引き込んで、一時は1ドル150円近くにまで「円高」を実現した。それが今では再び157円周辺に落ち込んでいる。

これ以上日本がドル売りを強化すると、手持ちの米国債の売却にまで至り得るが、米国は必死にそれを引き止めるだろう。日本が米国債を売るということは、それだけ日本が米国金融市場から資金を引き揚げることを意味するので、米国での金利は上昇する。米国債の価格は低落し、利回りは上昇する。米国財政にとっては悪夢のシナリオなのだ。 

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それでも今の過度の円安は是正しなければならない。それも、米国での長期金利の上昇を招くことなしに。一つは、日本以外の存在が米国債を大量に消化すればいいのだ。もしかすると、ステーブル・コインの使用をもっと自由化することが有効なのかもしれない。

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何とかして円高への潮目の変化を実現したい。円高で日本からの輸出が(数量ベースで)減少することはない。自動車は海外生産が進んでいる。

確かに、円高になれば、日本企業の輸出利益は円ベースでは減少する。それに応じて株価も下がる。しかしそれは致命的ではない。輸出利益は目減りしても、原材料輸入の費用も円ベースでは減少するから、プラス・マイナスとんとんなのである。

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そして市民の生活にとって、円高は総じてプラスに作用する。筆者は夏にデンマークに旅行したが、レストランで食べると高いので、コンビニで総菜を買ってすませた。そして円高になれば、ドル・ベースでの日本の存在感も、今よりはるかに増大する。

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