河東哲夫
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トランプがウクライナから手を引いたことは明白。兵器・財政支援もしなければ、ウクライナとの停戦仲介ももうやっていない。
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これでロシアはやりたい放題、と思ったら、大間違い。プーチンは米国に去られて実は大弱りだろう。なぜか?
それは、「ロシアはウクライナで、実は米国と戦っているのだ」という、この数年来の国内向けプロパガンダをもう使えなくなったことを意味するからだ。弱い、しかも同族のウクライナに武力侵攻したことへの反発は、ロシア社会にけっこう強くある。そこを、「実は米国と戦っているんだ」と言われたから、戦争を何とか支持してきたのである。モスクワ等の大都市の青年が戦争に引っ張られることはなかったし、賃金もどんどん上昇してきたことも、それに加担した。
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今、それが引っ繰り返ろうとしている。4月28日、プーチンはクレムリンで、9月の総選挙に向けての治安強化について担当省庁長との会議をやった。ここで念頭に置かれていたのは、頻度を増しているウクライナからのドローン攻撃の脅威(原油積み出し港を随分やられた)、ドローン等を使ってのプーチン暗殺の脅威で、「アメリカの陰謀」なる言葉は聞かれなかった。ラヴロフ外相は会議に呼ばれていなかったし、(不思議だが)国家安全保障会議事務局長のショイグ前国防相も呼ばれていなかったのである。
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ロシアの知識層は、明確な反戦の主張を大胆にし始めた。日常生活に浸透していたインターネットを、公安当局が強引に遮断しているために、政府に対する不平、不満が鬱積し始めている。
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そして経済では、15%を超える高金利(インフレ退治のため)の中、企業も銀行も資金をため込み、これを決済や投資に回すより、運用することで15%以上の利益を安易に手に入れようとしている。このため、企業間決済は滞り、賃金支払いも滞っている。
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「ロシアのエリートにとっては、強いプーチンが必要なので、弱くなってしまったプーチンはもう不要。それは彼の権力基盤である公安FSBにとっても、同じことなのである」という論評が新聞に現れている。
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末期症状だ。




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