日本も、ヨーロッパもアメリカも、「自由」、「民主主義」という近代の価値観で今の政治を議論しているが、これらの価値観を支えたものは、17世紀以来の西欧の経済発展なのだ。それは主として製造業の生産性の飛躍的な上昇のこと。
それで、製造業でかなりの給料をもらって働く人たちが増え、彼らは権利意識も持つようになったから、自由とか民主主義が19世紀以降の社会の基本的な価値観になったのだ。
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この体制は、第二次大戦後、ピークに達しただろう。「自由」、「民主主義」は進歩の代名詞ともなっていく。
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これが今、物事は基本的な曲がり角にある。トランプなどは自由、民主主義という言葉を口にすることもほとんどない。西欧でもポピュリズムが流行し、自由・民主主義は後退している。
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どこもこれを、一時的な病として、なんとか修復しようとしているのだが、社会の中の利害の対立はどんどん細分化して、ものごとを多数決で決めるのが難しくなっている。と言うか、「製造業でかなりの給料をもらって働く人たちが増え、彼らは権利意識も持つようになった」という近代の土台が、製造業が後退することで崩れてしまっている。
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「ほんの一部の高所得層とそうでない者たち」に社会は分かれてしまい、両者の間での利害の対立は、議論ではもう解決できない。民主主義では解決できない。経済を良くするか、それとも政治の仕組みを変えるか、どちらかなのでは?




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