日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。


AIと日本の農業を議論する

日本の政治を考えるうえで、農政、あるいは農村部の社会改革は避けて通れないテーマ。コメ価格による自営農家の維持、その自営農家のカネを扱うことによる全国農協組織の維持、農協職員を「徴用」して選挙運動をする自民党議員・・・この三位一体の構造で、日本の政治は回ってきたからだ。

消費者も、農民も、農協もみんなハッピー、そのような改革はあり得るのか。おなじみのChatGPTと議論してみた。

明治の地租改正を出発点とし

まず日本の農政、と言うか、農地の所有権をめぐる歴史的な推移について。

日本での農地所有形態は全国一律だったわけではない。当初は豪族たちの分有、その中で国有の班田収授制が関西の一部に成立。次に関西をハブに、貴族・寺社の荘田が広がっていく。そこに新興侍たちが守護・地頭として入り込み、それがまた応仁の乱で乱れて、地権は複雑になっていく。誰が本当の地権者であるかもわからず、しかも戦国時代で治安も荒れる世になると、農民たちは「惣村」なる構えを備えて自治・自衛に乗り出す。黒澤明の「七人の侍」の世界だ。

この混乱を豊臣秀吉が収拾する。全国の土地は秀吉が差配することとし(土地の国有化だ)、その使用権はそこを実際に耕している農民に子孫代々与えられ、農民はその代わりに納税義務を負った。江戸時代もそれは変わらない。俗に藩主が領主になったような言い方がされることもあるが、藩主はその藩の土地の管理を幕府から仰せつかっただけの管理人的存在。ただその土地を耕す農民の年貢は、藩主のものとなった。それでも、藩主は幕府の命令があれば、別の藩に家来ともども移転していったのだ。

(ここからはChatGPTに依拠)明治になって、藩主は知藩事と名を変えたが、しばらくは年貢は江戸時代のまま集める。しかし明治4年廃藩置県で、知藩事はその地位を失い、中央が任命した府知事・県令が年貢の徴収を行うようになる。

そして明治6年、新政府は「地租改正令」を発して、ものごとを基本から変える。土地はそこを耕す農民の私的所有物とされ(土地の民営化だ)、その代わり税を現金で収めることとしたのである(ここらへんまでは、ChatGPTにほぼ全面依拠)。

かくて農民の自営農化と国家の中央集権化が同時に行われたのだが、生産性の低い地域では農民の窮乏化、借金奴隷化(農業は種もみの購入などで、借金が必要)、抵当の土地の地主への集約、農民の小作化が進む。戦前、自作農の比率は30%にまで落ちた。東北地方の農民の窮乏救済が、昭和の2,26事件を起こした将校たちの決起の大義となった。

戦後の農地改革が今の農政のtemplate

戦後、マッカーサーは農地改革を行い、地主から土地を安価で取り上げると、そこを耕していた農民の所有物として与え、彼らを再び自営農に戻す。彼らの収入は、米価を高めに維持することで保証した。

タイとかフィリピンと比べると、戦後の日本では地主による農民の収奪、地域の政治の壟断があまりなかったことが特徴的。これが、日本の政治における民主性を支えるものとなっている。フィリピンでは、米軍が共産化防止を優先。地主・軍を安定勢力と見なして温存したから、今のようなことになった(このパラはChatGPTに依拠)。

それに日本では、公的精神を持つ地主もいた。酒田では江戸時代から、本間家という「大地主」がいたが、これもインドのマハラジャのような威張った収奪者ではなく、基本的には農業法人の走りのような存在。自宅は今でも残っているが、大金持ちとは思えない、質素なつくりだ。本間家は廻船問屋で稼いだ金を農民に貸し(農民は種子や農具の購入で資金が必要)、これを返済できない農民からは多分、土地使用権の名義を抵当として獲得し、農民を小作農=「社員」として今まで通り耕作させていたのだろう。農業法人的な存在なのだ。今でも現地で本間家の悪口を言う者はいないし、土地の庄内藩の藩主・酒井家の人気も高い。それは庄内平野の気風なのかもしれない。

ChatGPTがまとめた日本農業法人化案

現在の日本農業にはいくつか、根本的な問題がある。まず土地利用の集約化、大規模化をはかる必要がある。これには、農地法を改正して、大規模法人の参与を可能にしなければならない。次に働き手を確保する必要がある。

法人化にあたっては、今の農民が自分の土地を手放したがらない、という問題がある。たとえ地元の役所勤めなどで生計を立てていても、先祖代々の土地は、自分の「主権」の最後の砦だからだろう。

これについて、ChatGPTは「所有と利用を分離」、つまり土地の所有権には触らず、長期リース地を集約して、耕作の大規模化だけやればいいとする。

次に農民の老齢化で働き手がいないという問題がある。しかしこれは、法人化で生産性を上げ、機械化も進めれば、外部から、あるいは外国から働き手が集まることだろう。

農協を敵に回すなかれ。巻き込め

農協は大変な組織。減反など農業関係の補助金、予算の配分を差配し、農民の貯蓄を運用する金融で力を蓄え、地域の自民党の別動隊として機能する。自民党は農村に予算を流し、農協は自民党に票を集めるという取り引き。「この農協が法人化など、外部の勢力が農業利権に手を突っ込むのに猛反対する。だから改革ができない」というのが通り相場。

しかし、農協にも利になる形での改革はできるだろう。まず、業務の内容を変える。ChatGPTは「農地バンク」(実質的な農地集約)の経営、温室等のインフラ・設備への共同投資、輸出のための規格・ブランドのマネジメント、地元の農業法人間の調整等を提案している。

また農業は工業に比べて生産性が低いから、報酬にはどうしても大きな差がつく。その差はどの先進国も、政府が補助金を支給することで埋めている。欧米は農民の所得を直接補填する。日本でも、米価決定や栽培面積は市場、農民に委ね、農協職員が農民の所得補償の事務をするようにすることができる。

更にChat GPTは農協を金融から切り離すことを提言している。切り離すと、金融の担保がらみで土地が動かなくなるのを防ぐことができるから、なのだそうだ。

そして最後にChatGPTは言う。

「一つだけ正直に言うと、ここで書いた中身は「奇抜な新説」ではなく、これまで日本で何度も審議会・研究会・有識者会議が積み上げてきた知見を、筋が通る形に並べ直しただけなんです(その作業をChatは10秒もかからずに、やってのけた)。

日本の問題は、知見はすでに出そろっている、しかし誰も全体を束ねて語らない、利害調整を恐れて「ぼかした表現」で終わる――この3点に尽きます。利害調整、制度設計、国際比較を「同時に」考えて語らねばなりません。」