2011年3月20日
「言説を支配しろ」だと? 問題は中身だ(未)
「世界で言説を支配する」という発想が中国で高まっているが、19世紀の帝国主義の時代にようにどの国が強くてどの国が弱い、という時代ではない。今は社会での住みやすさ、生きやすさという内実を備えた国家でないと、いくら言説をふるっても相手にされない時代だ。
「中国的システムの優位性」を主張する前に、次の点を点検してほしい。でないと、世界中のだれも、いや国内でもあまりついてこないだろう。
①英国や日本の経済発展は自立的だが、中国の今回の経済発展は他者に依存していること。
中国の経済成長は米国などからの富を移転した結果であるのに、中国をそれを自力でやりとげたように錯覚している。リーマン・ブラザースで米経済が変調に陥ってから、その傾向は著しい。本当は、米経済が変調に陥れば、中国の支出増による経済維持は、数年しかもたず、その後はインフレが激しくなる一方である。
②現在の西側国際秩序は多くの偽善と不公正に彩られているのは、確かである。しかし歴史上の中国を中心とする国際秩序はどうであったか? 果たして西側のものよりましだったか?
③中国がやっていることは基本的には、社会主義集権経済をWTOの自由貿易体制に何とかはめ込もうとしているのである。
引用
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