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2011年2月 6日

人口大国への対処法

17世紀以来、世界では各民族ごとにまとまった「国民国家」が標準的な存在となっていたが、昨今BRICsをめぐる騒ぎのように、人口がやたら大きい多民族国家が幅を利かす。

一人あたり国民所得が日本の何十分の一であっても、人口が大きいことが大国への道を自動的に保証しているような風潮が昨今ある。戦後、日本はその政治的な地位を常に貶められてきたが、中国の台頭後はそれはほぼ無視に近くなっている。

多民族国家(中国、インド、米国も含めて)が国民国家としての装置(軍隊、諜報、徴税等)を具えてひとつの存在として発言・行動する(「メガ国家」とでも名付けられるか)ことが、それほど多民族・大人口ではない古典的国民国家の日本、英国、ドイツ、フランス等に不利な状況を生んでいる。

 これに対処するためには、企業ならばM&A、連結決算ベースの拡大しかない。国家としての日本について言うならば、それは①国連等の場において韓国、ASEAN,豪州、NZ、カナダ、西欧諸国等、価値観を共有する同レベルの諸国家と緩い集合体を形成し、それをベースに発言力を拡大する(世界航空界では中規模航空会社が集まって、スター・アライアンスのような連合体を形成している)、②これからの日本の所得維持に枢要な役割を果たす在外資産を奪取・没収から守り(この点、日本人は脳天気的に安心しているが、米国でさえ在外企業の権益を現地当局、あるいは現地パートナーによって無法に没収・奪取される例が、現在でも存在する)、在外企業の利益・配当の相当部分が日本本国に還元されることを国際取り決めによって担保しておく、等になるのではないか?

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