2013年5月25日
政府は何も広報していないのか
政府がちゃんと広報していないからこういうことになるんだという批判がすぐ起きますが、広報にはやり方があり、先方の新聞紙面を買い取って主張を載せるというようなやり方は、アメリカのような民主主義国では嫌われ、かえって逆効果になります。こういう問題についての広報は、アメリカの政府や議会、そしてマスコミ、学界の要路に対して、静かに、しかしじっくりと展開していくのがいいのです。「広報活動を広報する」というのは、あまり賢いことではありません。
たとえばワシントンの日本大使館が、「今日は〇〇議員を日本大使が公邸に招待し、侵略の定義問題について日本の立場を説明しました。明日は広報担当の公使が議会に赴き、〇〇議員、○○議員、そして〇〇議員に日本の立場を説明することにしております。日本大使館はこうして・・・」などと宣伝しますと、必ず反動が起こるのです。ひとつは、説明を受けたことを公表された議員は反対派から、「日本の■■(動物の名前)」だというレッテルを貼られて、選挙で苦労することになりますので、もう日本大使の招待には応じないようになるでしょう。アメリカでは日系人より韓国系、中国系の方がはるかに多く、議員には彼らの票が必要なのです。そしてもうひとつは、日本に反対する連中からの巻き返しが猛然と始まり、マスコミはこれを大々的に報道して火に油を注ぎ、視聴率を上げようとします。そうなると多勢に無勢、日本は負けてしまいます。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.japan-world-trends.com/cgi-bin/mtja/mt-tb.cgi/2500