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2009年09月23日

戦後の日本に外交はあったのか?

いろいろな会合に出ているけれど、いろいろな面白い発言に遭遇する。

ある外務省のOBがしみじみと言っていた。「戦後の外交をつらつら考えてみると、結局和平(終戦後の賠償とか平和条約の締結とか)、安全保障政策と言うよりも日米安保条約関連の仕事(地位協定とか基地移転とかベトナム戦争の処理とか)、そして経済摩擦だけだった」

ちょっと言い過ぎで、露悪的に過ぎると思う。たとえばベトナムとの国交回復を素早くやったこととかカンボジア紛争を処理して総選挙にまでもっていったこととか、ASEANを盛りたてて今のような形を整えるのを助けたこととか、結構ある。外交というより、民間企業の直接投資とODAのおかげだが、東南アジア諸国から中国、韓国、日本と水平分業・垂直分業が緊密に育ち、東アジア諸国全体の底上げを実現したのも、我々が誇るべきことだ(日本だけではない。これら諸国国民自身の努力が一番だし、欧米諸国による直接投資も大きな役割を果たした)。

それでも、戦後の日本は米国に守られ過ぎていたことは事実。「戦後の日本は大蔵省の主計局(政治家の選挙区びいきを抑えて、公平な予算の配分)と外務省の北米局(米国の意向を日本政府中枢に伝える機能)によって運営されてきた」という言葉があると昔聞いた時、当たらずと言えでも遠からず、と思ったものだ。

でも今は、米はもちろん、せめて東アジア、南西アジア、中央アジア、大洋州の諸国、そしてEU、NATOくらいとは常に対話を欠かさず、対話だけでなく、いつも常になにかを一緒にやっていたいものだ。常になにかを一緒にやっていることが、結局最良の戦略なのだ。

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