衆院外務委員長が裁判継続中の元自民党議員でいいのか?
衆議院の外務委員長に鈴木宗男議員がなったようで、狐につままれた気でいる。僕は今回、民主党に投票したのだが、そしたら自民党の元幹部、鈴木議員が民主党外交の主要なポストについてしまった。
自民党時代、彼が日ロ関係でやったことはすべて明らかになっているのか? その彼に、当面最大の課題の一つである、核持ち込みについての日米「密約」問題の審議を差配させるのか? 民主党は、有権者を馬鹿にしているのだろうか?
twitterなどを見ると、鈴木議員はこれから日ロ領土問題の解決を再び手掛けるのではないかと思っている人たちもいる。だが、今の時勢で無理をしてこの問題に決着をつけようとすることが、日本の得になるのか?
今のロシア極東は、東アジアの中では無力な存在だ。「ロシアとの関係を改善すれば、中国、米国との外交をやりやすくなる」と言う方々もいるが、ロシア、特に極東のロシアにそれだけの力はない。ロシア極東部は人口600万人、対する中国東北部はその20倍、1億2000万人いる。エネルギー資源はあるものの、アメリカが買うつもりがないので、だぶつき気味。かといって中国に依存すると買いたたかれるので、本当は買い手市場なのだ。
ロシアは来年、戦勝(第2次大戦のこと)65周年。今のように経済が悪いときには、民衆の支持をつなぎとめるためナショナリズム、反米が、政権にとっての貴重なカードだ。そんなときに、日本が少々石油・ガスを輸入しても、領土問題で簡単に譲るだろうか?
ソ連が崩壊して20年。ロシアは経済で弱っているときには、「弱っているとき解決しても、国民があとでひっくり返す。ロシアが自信を取り返すまで待ってくれ」と言い、石油景気で湧くと、領土問題など歯牙にもかけない。この20年、優に1兆円を超える融資・支援で信頼関係を作ろうとしてきたが、領土問題は解決しない。
それでも領土問題に決着をつけたいというなら、日本の方から大きな譲歩をしなければ、ロシアは動くまい。新聞で報じられていた鈴木議員の2島先行返還論が本当で、歯舞、色丹だけで手をうってしまえば、国後、択捉というはるかに大きな2島の旧住民には不公平になる。
北方領土問題は、日本から降りるべき問題ではない。降りても、得られるものはほとんどなく、失うものの方が大きいだろう。降りなくても、日本に必要な限りでの日ロ関係は進められる。そうこうするうち、石油・天然ガス以外の資産をほとんど持たないロシアはお手上げになる。
投票したから言うけれど、民主党は権力につくとこんなことをやる政党だったのか。こんな抑えの利かない人事をやる政権は、危なくて見ていられない。こんなことなら、来年の参議院選挙ではもう投票できない。
有罪が確定していないなら議員もやれるし、委員長もできるだろう。でも、外国の特派員たちだって関心を持つだろう外務委員長だ。最高裁の判決を待ち、晴れて潔白な身で就任すればいいだろう。
戦前日本も、こうしたボタンの掛け違いがまだ大丈夫だと思ううちに複合脱線を招いて、日本は破滅に向かっていったのだ。
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コメント
小沢の手法でしょう。
私は田中、金丸との関係をはっきりと
記憶しています。
現在の国民はこの事をほとんど知りません。
誰か論文として公表する方は居りませんか。
国松建設の検察も同じ手法になります。
日本は今からは暗い時代に入ります。
鈴木批判を幾分押させていると思いますが,対露外交の現場を知っている河東大使はもっと言いたいことがあると思います。我々は本当に忘れっぽいですね。
河東さんのような方に発言して頂いた事に、ほっとしています。
全く同じ思いを持っていましたが、私などより、旧ソ連事情、現在のロシヤ事情、そして鈴木氏のやってきた事を現場レベルでご存知の河東さんのご発言には、説得力があります。
何故?という疑問に「馬鹿だから」では済まされない重要問題であるだけに、どなたかの納得できるコメントが欲しいものです。
民主党は、鈴木氏をあのポジションにもってくる意味を、どう考えているのか? 何をどう考えたら、あのようになるのか、全く理解できないのです。
民主党政権に期待していたのですが、外務委員長の名前を新聞で見た瞬間、目を疑いました。そもそも、最高裁判決の前に、鈴木氏が北海道比例区で43万票という高得票で当選してしまったこと自体が信じがたい事実です。「北海道民の民度はこの程度?」と問われれば、道民のひとりとして「違います」と胸を張って答えたいのですが、説得力に欠けることは否めません。外務委員会の審議をワイドショーでお笑いタレントが面白おかしく批評することを民主党が望んでいるとしたら、日本の破滅もそう遠くないということですね。そうではないことを信じていますが…。
道民の一人です。当地において鈴木氏に、とにもかくにも一定の人気があることは事実です。そして、選挙も上手です。そうした表層に目が奪われてしまう現実が北海道にはある、ということです。
「民度」がその程度である、と指摘されるならば、「おっしゃる通りです」とうなだれるしかありません。しかし、だからといって、いつまでもこのままであることを了解している訳でも
ありませんこと、言い訳がましく一言述べさせていただきました。