2009年07月25日
米国で増える物乞い
マンハッタンからアメリカ経済レポートを毎日書いて送ってきてくれる女性がいて、随分重宝しているのだが、レポートの末尾に必ずついているニューヨークの世相紹介がまた秀逸。
昨日のレポートによると、最近の不況でニューヨークにも物乞いが多くなったそうだ。
そう聞くと、もうアメリカはお終いかと思う人もいるかもしれないが、実は昔の絶頂期のころの方がむしろ物乞いは多かった。1970年代マンハッタンの地下鉄はすさびにすさび、ホームに立っていても、ひったくり、すり、恐喝に怯えていたものだ。土気色の顔をした麻薬患者だと、見境いなく仕掛けてきたし。
そういうことも少なくなって、安心して乗れる地下鉄路線も多くなっていたのだが、また昔に戻っていくのだろう。どうもこの世界では、一定レベルの生活水準を達成するともうそこで限界らしいのだ。
日本でも、物乞いが現れた。僕は池袋から電車で30分くらいの遠い遠い郊外に住んでいるのだが、ある夕、都心から帰って駅の階段を下りていくと、下り切った目の前になんと中年の男が物乞いをして立っているではないか! まさか、ソ連崩壊直後のモスクワじゃあるまいし、郊外の駅で日本人が日本人に物乞いなんて。
もの言わぬ不況が僕の身にひたひたと押し寄せて、自分も明日はこうなるかもしれないという恐怖感に襲われる。
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