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世界はこう変わる

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2009年04月01日

北京の路地を歩き回れば 09年3月

3月の末、4日ほど北京に行ってきた。家内同行なので全くの観光旅行。でも、地下鉄と徒歩で街中を探索して回るので―ー朝10時から夜6時まで食事なし―ー、いつもは見えない生活風景が見え、北京市民の生活感覚に浸ることができる。

今の北京に、経済危機の臭いはしない。
その代わり今回再認識したことは、居並ぶ高層ビルに威圧される思いの表通りからちょっと入ると、そこは昔ながらの路地と長屋の延々たる世界、つまり胡同になっていて、「殆ど壊されてしまった」と僕がこれまで聞いていた胡同が実は、相変わらず北京の大部分を覆っている、ということだ。

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(胡同。豆腐屋のラッパが聞こえてくるような

そして北京も中心部の大通りから少しはずれ、地方からやってきた人が多い中央駅の方へ行くと、人々の服装、様子が違ってくる。
だから国全体が、こうなのだろう。表通りと路地では随分違う。

別に、だから中国は後れている、とかそういうことではない。東京だって、麻布のあたりは昔の乱開発のあとがありありだ。胡同と同じく、消防車だってろくに入れまい。

そして胡同はーーー実はコの字形の家屋の真ん中に中庭があるという作りなど、ウズベキスタンのブハラあたりの住宅街とものすごく似ていて、中国とオリエント文明の間の強い関係をうかがわせるのですがーーー北京で最も魅力ある観光資源、と言ったら住民に失礼なのだが、とにかく面白い。
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(故宮の天井。この色彩、このデザインはペルシャ文明との関連を思わせる)
当局もそれを知ってか、一部の胡同の再開発を禁じている。ただ、一戸建ての原則を維持した上での建て替えは方々で始まっていて、路地にレンガがブロックが随分置いてあった。これは例えば青山や兜町あたりで一軒屋ということだから、こういうところにたまたま以前から住んでいて、安い金で土地まで私有化できた市民には随分おいしい話だろう。

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(胡同の一角。その名も幸せの象徴「青い鳥」写真館)

面白かったのは胡同を歩いていて住民と目があうと、以前は彼らは知らんぷりをしていたのが、今回は「ハロー、ニーハオ」と声をかけてきたことだ。オリンピックの時、外国人を見かけたらこう挨拶しましょう、と教えられたのかもしれない。もっともオリンピック中は規制が厳しく、一般市民が外国人に出くわす機会はあまりなかったそうだが。  河東哲夫

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