北京情景 09年3月
北京を何日も歩き回ると、本当に人間はどこでも変わりないと思って中国人を好きになる部分と、これはちょっとと閉口する場面と、両方に出くわす。そんなことはどこでも同じだが、何がそうかはそれぞれの国、それぞれの時代で違うだろう。
ここでは、2009年3月北京で見たことを列挙しておく。
公衆トイレの話
トイレの使い方は、その国、その家の文化度を表す、と言われる。日本でも戦後、駅前の公衆便所は半径100メートルにもわたって強烈な悪臭を振りまいていたし、「個室」の床に液体や固体がころがっていないようになったのはわずか20年くらい前の話ではないか?
中国やソ連の公衆トイレは、それよりもスケールが大きかった。30年前の天安門広場の南東の隅に大きな公衆トイレがあって、そこは入ろうとしても入る気になれなかったのを覚えている。
オリンピックのためだろうか、今回北京の街にやたら公衆トイレが増えているのを発見した。半径20米くらい悪臭を放っているのもあるが、外面は大体きれいだ。
でもそのうちの一つに入って、さすがに・・・
というのは、狭いところに沢山の男が立って順番を待っているのだが、あと1人というところになると、ズボンの前を開け両手でモノを支えて交代を迫っていく。中には後ろの気配を察して少し身をずらし、「どうぞ」とばかりに2人で同じラッパに放水している者もいる。昔人民公社の時代、「一つの椀で飯を食う」という言葉があったが、ここでは・・・
さすがに、このような情景には1回しかでくわしませんでしたが。
地下鉄に乗る前に荷物検査
オリンピックの時からだというが、地下鉄駅の階段を下りたところに、空港のセキュリティ・チェックのような荷物透視装置が置いてあり、かばんを持つ者は皆ここを通していく。ラッシュアワーの時はできないから、係員にバッグをちょっと開ける様子を見せればOKなのだそうだ。つまり地下鉄駅の全部に監視要員が数名づつ張り付いていて、透視装置の画面をじっと見つめている。これ、いい雇用対策になりますが、大変な人件費がかかっているでしょうね。
で、地下鉄の切符を買う時気がついたのだが、行列という観念のない人が多い。待っているのが3~4人だったら、ほぼ必ず無視して横から割り込む。
北京では、地下鉄の座席で何もしない人が多いようで。日本では携帯メール、モスクワでは文学書や教科書を読んでいるのが相場だが、北京では教科書的なものを開けている人や眠っている人がちらほらいるだけ。まあ、乗る距離が短いのかもしれないが。
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