企業国際化はまず幹部のマインド改造から始めないと
円高に悩む日本企業の脱出口は「国際化」だ、ということになっていて、本社員にも外国人を増やしたり、なかには社長まで外国人を連れてくる企業が出ている。それ自体は悪いことではないと思う。
でもそれが日本社会特有の「ただ形をつけるため」、または「外国人を入れればいいんだ」、「外国人を社長にすればなんとかなるだろう」式の――要するに他力本願では駄目なのだ。内情は知らないが、オリンパスの醜態も日本人の経営陣自身が何も変わらず、変える必要があることも多分知らず、外国人社長とも他人行儀でつきあっていたことが原因なのだろう。
そんな経営陣しかいない企業は、以前からの経営陣は「日本支社」の経営でもやってもらい、全体の経営は「グローバル本社」で外部からの人材を中心にしてやっていく――と言っても、言うは易く、実行はほとんど不可能。変われない企業は、たとえばロシアの国営企業と同じく、倒産するに任せるしかないだろう。社内の新陳代謝が不可能なら、業界、経済界全体での新陳代謝しかない。
変わる意欲がある企業は、「国際化」に向けて何が必要なのか、外部のコンサルタント(それも駆け出しの新入社員がマニュアル片手にアドバイスするようなのじゃだめだ)か顧問を入れて一緒に議論して(それも真剣勝負で。総務部が発言要領を書いてくるような、いつもの「会議」ではなく)具体的に見定め、社長が音頭と責任を取って必要な措置を取り、自らは辞めてでも範を垂れてやらないと駄目だ。
その体力がない中小企業をどう助けるか? 金型企業など、素晴らしい技術と意欲を持ちながら、大企業に利用され、捨てられて、日本に残っている。経済産業省の役人も書類作りとか電話ばかりでなく、そういうところに行って2,3カ月は住み込みで油まみれで働いて、現場からの救済策を考えて欲しい。優等生ではなくて、昔のような骨太の野武士、ならず者官僚に戻ろう。
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