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経営学

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2010年12月23日

終身雇用制と転職社会の折衷

日本の企業は終身雇用制だから、そうでない国に進出すると現地の人材との間で摩擦を起こす。現地事務所の幹部ポストは本社からの日本人が抑えておかないと、日本人社員をはめておけるポストが足りなくなる一方、現地の人材は昇進ができず、不満を持つ。

終身雇用制はプラス、マイナス両面を持っているが、気をつけないと、終身雇用者たちが頑迷な利益共同体を作り上げ、新しい価値を創造することより自分たちの利益を守ること、つまり組織防衛に汲々とすることになりがちだ。

そうならないための手立てを考えないと。

コメント

投稿者: katsu | 2010年12月24日 13:00

終身雇用制そのものは、その運用次第では、決して国際
社会においてもマイナスに働くものではないと感じて
います。
(日本企業の現地での弱さにつながる要因として、そう
いう声ばかりをことさらに報道しがちで、そうでない
側面に、メディア側があまり目を向けないことも影響
しているかと思います)

ただ、この制度の最大の問題点は、「結果を出そうと
しない人(意欲のない人)」までを「終身雇用」して
いってしまう構造に陥りやすい点であり、その部分を
どのように乗り越えていくかが、各企業に問われて
いるテーマかと思います。

いま現在、「終身雇用制」をただのんべんだらりと
運用している企業はありませんし、「終身雇用」=
「ずっと給料が上がり続ける(少なくとも給料は落ち
ない)」といった構図はなくなっているのが常識でも
あります。

こうした制度運用のなかで、きっちり組織を運営する
ことができる会社は、海外でも、組織を的確に運営
できている気がいたします。
良き人材、良き風土を持った会社には、決して「お金」
だけではない魅力(そこに在籍し続ける理由)を見出し
ている外国の方(少なくとも私の知っている中国の方)
は決して少なくありません。

「大切な人材には、最後まで自分の会社で仕事を全う
してもらいたい」と企業側が思い、「自分も、最後まで
この会社で仕事を全うしたい」と社員が思う「相思
相愛」が結果としての終身雇用状態を生み出すので
あれば、そんなすばらしい話はありません。

投稿者: 河東哲夫 | 2010年12月25日 02:13

katsuさんへ
おっしゃられることには全く賛成です。
小生が言いたかったことは、努力せずにポストに安住し、組織を守るだけになってはいけないし、また外部からの人材を数年間活用するための制度上のインターフェースも整備しなくてはいけないだろうということです。
確かに多くの組織、企業ではこの点、以前とは見違えるほどになっていますが、他方、現地職員と交流しようとしない支店幹部や、下請け、出入りの業者をいじめてばかりの担当者なども時々耳にします。
終身雇用制は一概にいいとか悪いとは言えません。他方、これが世界的、歴史的には雇用制の典型例とは必ずしも言えないことを念頭に置いて、常に固定化、凝結化を避けることが必要だと思います。

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