生産性をめぐる倒置された議論 それよりコンプライアンスを緩和したら?
この前某所のセミナーで、「日本は生産性が低い。だから(生産物の価格が高くなって)輸出が伸びず、GDPも伸びないのだ」という趣旨のことを言う講師がいた。
僕には少し納得できない。「生産性が低いから売れない」のではなく、「売れないから、あまり作らない。しかし社員はなかなか解雇しにくいので、大人数が残る。すると生産性、つまり『売り上げ÷従業員数=労働生産性』は当然下がる」ということなので、どうして学問の世界というのは言葉にまどわされて原因と結果を取り違えるのか? あえて取り違えれば、いろいろ奇想天外な理論を発明することができ、原稿料も稼げるからか?
国内で売れない。それはこの20年賃金が停滞しているし、人口も増えないからだ。
外国で売れない。それは円高だし、そうでなくても日本製品には要らない機能が付きすぎているし、サムスンの方がデザインが良く、欲しい機能がついているし、日本のビジネスマンは売りたいのか売りたくないのかわからない、二言目には「コンプライアンスが」とか言って、飯もおごってくれない―ーそういうことではないのか?
欧米の企業は周りを見てから、「コンプライアンス」をどのくらい守るか、自分で決めているようだ。ところが日本の企業は、ライバル社にかぎつけられてお上にたれこまれるかもしれない、そうなったら上司も守ってくれないと思うから、コンプライアンスを金科玉条の如くがちがちに守ろうとする。
まあ、業績に合わせて人員を整理するのは、企業もなんとかやっているようなので、経済産業省あたりにやってもらいたいのは、コンプライアンスをめぐって日本人が優等生面して自縄自縛になるのを率先してやめさせてほしいということだ。
こういうことはずっと前から多くの人が考えていて、「コンプライアンス不況」という名前も付けていたのだhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%98%E8%A3%BD%E4%B8%8D%E6%B3%81。
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