2012年7月30日
外国の企業を買収したと思ったら、相手に乗っ取られる日本の企業
この頃、日本の企業による外国の企業買収大型案件が引き続く。
いいことだと思うけど、どこも外人とのコミュニケーションで苦労しているようだ。英語とか中国語ができないというだけではなくて、それよりも深刻なのはものごとの考え方、決め方が違うこと。
日本の組織は内部の都合を重視しすぎる。そんなことをしたら先代社長の業績に唾を吐くことになるからやめよう、とか。ところが外国の企業は、(ごく当然のことだが)周囲の状況を分析することから始めて、そこから自分で戦略を作る。
日本のは何だろう。同業他社がやることを見ていて、それに遅れないことと、それに社内の事情をうまく合わせること、これを優先しているのではないか?
かつて外国の投資銀行やコンサルは、欧米企業による日本企業の買収を斡旋して、手数料を儲けようとした。日本側の抵抗でそれがうまくいかなかったので、今度は方向を逆にして、日本企業が欧米企業を買収するのをあっせん、その後もいろいろ起こる摩擦や誤解の「メンテと修理」でしこたま儲けるビジネス・モデルに転じてきた。
野球世界選手権に出ているつもりで、頑張っていただきたい。買収したら、買収先の人材の能力を見極め、互角以上に議論のできる識見とガッツをもった社員を折衝の前面に出し、権限も与えてほしい。
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