2011年6月 9日
金融の専横はこの1世紀のこと
リーマン・ブラザーズの破綻のあと、また世界の金融バブルは膨れ上がり始めた。
「金融立国」という言葉が示すように、この頃の金融の跋扈ぶりはすさまじい。バブル形成とその崩壊の周期は、まるで瀕死の痙攣ででもあるかのように、間隔が狭まる一方である。
金融バブルとその崩壊は、欧州では既に17世紀から記録されている。新大陸から金銀が大量に流入した時代の話だ。だが金というモノの価値から切り離され、印刷機でいくらでも通貨が刷られるようになった現在、世界にあふれるドルの猛威は17世紀とは比べ物になるまい。
だがこれも、通貨をモノにもっとしっかり結び付けてしまえば、別の局面が訪れる。中世の欧州でもアジアでも、金融を生業とできないわけではなかった。だが、今のように法外な収入をもたらす業態はいかにもおかしいだろう。金融経済の跋扈は、世界歴史においてはほんの最近数十年のanomalyに属することではないのか?
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