2023年6月29日
言葉の意味が溶融する時代
(これは28日発行のメルマガ「文明の万華鏡」第134号の冒頭部分です)
国際情勢、何か宙ぶらりん、すべて未決の感じがすると思って、このメルマガの先月号を見ると同じことが書いてありました。
まあ、いずれにしても、米国を扇のかなめとする戦後の世界体制が賞味期限にあること、そしてもっと長いことを言えば、19世紀に西欧で確立した「近代文明」の諸要素――「国家」の力、同時に個人の自由と民主主義、市場経済、性モラル――もめっきり崩れてきたことが根底にあるのでしょう。
いろいろな言葉、自由主義とか資本主義、共産主義、親米、反米などで社会を分類し、原則論的な議論をすることは意味を失ってきていると思います。ものごとの端から端まで、政治なら反米から親米まで、経済なら資本主義から共産主義まで、性なら男から女まで、いろいろなグラデーションがあり、そのすべてが存在権を持っている――という感じ。
それならそれでいいのですが、学校の社会科、歴史の先生は困るでしょうね。と言うか、産業革命以来の画一・マス生産方式の教育も、変えていかないといけないと思います。
時代の変化の波頭を行く、素晴らしい若者たちも増えていますが、ついていけない人間はこれからますます増えるでしょう。総理を殺そうとしたり、日本を守るべき自衛隊に入って上官を殺したり・・・。そうした人たちの生きる場をどうしたらいいのか。
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