2015年10月18日
世界にバラける日本人
もう10年も前のことだが、「これからは日本人は世界に、特にアジアにバラけるんだ。さびしいけれど、そうでもしないともう飯は食っていけない」と感じたことがある。日本には職がなかった時代のこと。
その後日本に帰ってきて、日本人には世界がどんなに遠い、縁の薄いところであるかを思い知った。世界は勉強する対象、教養の対象、つまり「よそ」なので、自分自身で何をどうするというところではない。
と思っていたら、実態はずっと先に行っていた。東京の郊外のある昼下がり。しがない蕎麦屋の店で、常連のおばさん客が蕎麦屋の老夫婦と大声で話している。「でね、この連休はオーストラリアに行ってくるのよ。孫が娘のとこにいるから」。ここまでなら、ああ娘さんが海外に赴任した夫についていったのかと思うのだが、次の少しためらいがちな一言で驚いた。「娘の主人、インドの人なのよ」。
日本人は、もうバラけている。日本人の日常生活に世界は入り込んでいたのだ。
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