2014年12月 4日
ワーグナーとラーメン屋
昨日、渋谷の文化村に行く機会があって思い出した。
今からもう6年前、ちょうどリーマン・ブラザーズの金融危機が幕を開けようという頃、パリ・オペラ座が日本に来て公演したことがあった。出し物の一つがワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」。軽妙洒脱で鳴るフランス人が、重厚長大の象徴ワーグナーをちゃんとできるのかとも思ったが、直観で惹かれて行ったら大当たり。僕にとっては、素晴らしい公演だった。
そのオーチャード・ホールの横の四つ辻に小さなラーメン屋があるのをご存じの方は多いだろう。トリスタンとイゾルデの苦しみが始まる前、僕はそこで腹ごしらえをした。するとオペラ座のスタッフとおぼしきフランス人の男女数名が入ってきて、ラーメンを食べているではないか。
ワーグナーとラーメン、トリスタンとラーメン、イゾルデ・ラーメン。ひょっとして、トリスタンとイゾルデが恋に落ちたのも、ラーメンにニンニクがふんだんに入っていたせいかも。
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