この頃は日本の転落のスピードに加速度がつき、書きかけたものが次の日にはもう意味を失っていく。

今生きている時代の意味、どうやって我々はここまでたどり着き、これからどこへ行こうとしているのか、などという迂遠な哲学的なテーマばかり、これまで僕はやってきたのだが、今の時代もうそれどころじゃない。

大きな川の傍に暮らしている者が、今年の流れはどうなるか星を見て考えていたのが、急に増水して玄関に流れ込む水を防ぐことで大わらわになった、もう星どころではない、土嚢をどこから持ってくるかの問題だ―ーこういった状況なのである。

何についてどう書いて行ったらいいのか、考え込んでいる今日この頃である。