2012年6月 2日
デフレが諸悪の根源 なのか?
新聞雑誌を読んでいると、「日本はデフレだからダメなのだ。デフレを何とかしなければ」という論調が多い。僕は天邪鬼だから、この発言に何か胡散臭いものを感じてしまう。
デフレはそもそも、需要が足りないから起こる。「デフレがあるからデフレになる」ものではない。
そしてデフレというものは企業の収益を下げ投資意欲を鈍らせるから嫌われるのだが、目下日本の企業は賃下げやリストラで高い収益を上げている。デフレのなかで十分商売をやっているのだ。
だからデフレは何が何でも退治しなければならない悪ではない。それどころか、今のようにいろいろなものが安く買えるのは、もう30年ぶり、40年ぶりのことではないか。大事にしたい。
だが、マスコミや識者はなんであんなにデフレ退治論をぶつのか? 結局のところは、もう国債を増発するのが危険になってきたために、日銀に紙幣を増発させ、インフレを無理に起こしてやろうとする向きが増えたからではないのか? インフレを起こさないことが、日銀法が日銀に課した任務なのに、その逆をやらせようというわけだ。
そして日銀が紙幣を刷らず景気が上昇しなければ、日銀を指さして「悪いのはこいつだ」と言えばいい――そういう算段が国会議員の中にあるのではないか?
そして政府にとって、インフレは都合がいい。利払いは増えるだろうが、国債自身の価格は暴落するだろうから、国債の償還費用が割安で済む。
だから我々は、邪な思いを持つ男たちからデフレを守ってやらなければいけないのでは?
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