2014年11月15日
歴史の怨念を鎮めたEUのエラスムス計画をアジアでやろう
この前ベルギーの友人から聞いて、あらためてそうかと思ったものに、EUの「エラスムス計画」がある。
エラスムスとは近世オランダの偉い学者の名だが、その名をもじってEUは1987年、「エラスムス計画(European Region Action Scheme for the Mobility of University Students)」を立ち上げた。
要するに、相互留学、教員の移動、成人教育の振興などを通じて、戦争を繰り返してきた欧州諸国間の積年の恨みと偏見をなんとか緩和しようというのである。
域内学生の約1%(日本であれば毎年3万人に相当)、教員の約2%がこの計画の恩恵を受けて、域内をぐるぐる行き来している。これがどんなに「歴史問題」の緩和に役立ってきたかは言うまでもない。交流の「成果」としての域内結婚は枚挙にいとまがない。
効果は顕著だ。例えば独仏の間には100年以上にわたる恨みが山積していたが、この頃はその手の陰湿な話しは聞かない。
これと同じようなことを、日・米・中・・韓・ASEAN諸国を中心に、アジア・太平洋諸国の間で立ち上げたらどんなものだろう。
1万人で立ち上げて、学生1人、年間200万円出すとすると、年間200億円かかる。日本だけでやるのではないので、小型の円借款案件1件程度の金で大変な将来への投資ができることになる。
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