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経済学

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2010年12月25日

アンチ経済学――高齢化社会は若者を豊かにする?

これからの超高齢化社会、やれ65歳以上が人口の半分を占めるだの、やれ若者2人で1人の老人の費用負担をしなければならなくなるのと、ホラー映画のようなシナリオばかり喧伝されて、僕もそれはひどいなあと思っていたが・・・

もし老人たちが病気ばかりして、その割には長生きでもするとその負担は大変なものになるだろう。だがあまり病気もせず、それほど長生きもしないとすると、どうだろう?

すると何と、一人っ子なら母方の祖父母、父方の祖父母双方の財産を独り占めできるという図が浮かび上がる。現代日本の1400兆円と言われる個人金融資産の大半を老年世代が所有しているが、これがいつかは子供たち(この世代もそろそろ老年世代入りしている)、そして子供たちから孫たちに相続されていくたびに、一人当たりの相続額はどんどん膨らむ、ということなのだ。

日本が高度成長以降蓄積した富は、人口が減ったからと言って、そう急速には減少しない。誰かが使えば、それは別の誰かの収入となって、日本社会をぐるぐる回っていくし、その回っていくプロセスに課税すれば(つまり取引税、消費税)、国家歳入もそれほど落ちないからだ。
貿易収支を黒字に維持し、資本が海外へ過度に流出することを防ぐ措置を取っていれば、円も下がらないから、富は目減りもしない。

人口が減ると消費が減るので、悪性デフレにならないよう、国民の貯蓄を国債で吸い上げて支出する、そこから生ずる諸取引に課税して税収を維持する――こういうふうにやっていけば、結構回る。いやそれどころか、これまでの富をより少ない人数で分けるから、一人あたりはもっと豊かになる――ひょっとして、経済学者たちはこのような素晴らしい未来を私たちが有頂天になり過ぎないよう、隠しているのではないか?

コメント

投稿者: 松宮 正浩 | 2011年1月 7日 10:29

20年前、わが国の出生率が低下し将来の少子高齢社会が危惧され始めた時、当時の厚生省はその事実を隠し、様々な産児奨励策を実施して来ましたが、全く効果はありませんでした。
幸いにして、高度経済成長を遂げた日本は豊富なストックに対して遺産分配率も上がり、それほど心配する社会にはならず、むしろ豊かな生活になる可能性があると「ひそひそ話」として囁かれてきました。
しかし、それを公言すると国民は怠惰になり、国力の低下に直結するため、現状の危機扇動政策は正解であり、財政難の折政府はこの分野にまで手を入れ始めましたが、ある程度やむをえない政策と思っています。
方や、急速な経済成長を遂げつつある中国は、現在も産児制限政策を続行しており、はたして
30~50年後の姿はどうなっているのか?
極めて興味のあるところです。

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