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経済学

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2010年12月10日

「食糧自給率」の魔術を見破らないと

最近TPP(環太平洋パートナーシップ。要するに米国も巻き込んだマルチの自由貿易協定)がマスコミをにぎわしている。そしてこれに反対する論拠としてまたぞろ、「日本は『食糧自給率』が低いから、農産物関税の引き下げは絶対駄目」、ということが言われるようになった。「食糧自給率」――一見素晴らしい言葉だと思えるが、その内実は自由化反対派にとって都合のいいフィクションだらけ。

食糧自給率を気にしているのは世界でも日本くらいのものだ。輸入するカネがあるなら、安い食料を外国から輸入していた方が、大多数の日本人にとっていい。そのカネがなくなったらどうするのだと心配されても、その時は割高の国産食料はますます買えないのだから、心配する意味がない。それとも、戦争の危機になったら、政府は農産物を農民から安値で取り上げ、国民に配分するとでも言うのか? そういうことで始めたコメ配給制が、コメの値段をどんどん釣り上げることになったではないか。

要するに「食糧自給率」云々というのは、米を守りたいがために、役人や政治家や農協の連中がたきつけているんだろう。米くらい自由化したって、輸入はそんなに増えやしないって。今や中国の金持ちも、日本産のコメを食いたがる時代だ。アメリカにしても豪州にしても、水が足りないから、コメの生産はそんなに増えやしない。

まあ、あまりうまく説明できないので、ウィキペディアでも見てください。「食糧自給率」については、随分こっけいなことが起きるようだ。

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