2012年6月 2日
ユーロ下げ だがEU自体は貿易黒字なのだ
1ユーロはとうとう96円台。こうなったら1ユーロ=1ドル、つまり80円くらいまで下がるのか? ギリシャだけではマグニチュードは小さいが、スペインやイタリアの銀行の信用が揺らぎ、ドイツの銀行までがそれに引きずられるとなれば、そりゃEUの経済は下がるだろう。銀行が投資や消費にローンを出さなくなるからだ。だからユーロが落ちている?
経済は下がるーーつまりEU域内の投資と消費は落ちるだろう。そうやってEU域内での需要が下がった分は、輸出に回される(多分)。ユーロが下がっているのだから、域外への輸出はたやすい。そうやって輸出が増えると、EUの域外との貿易はEU側の黒字になるのだ。それはユーロ高要因のはず。
ところが足元を見ると、今でもEUは域外に対して黒字なのに、ユーロ安なのだ。3月には貿易黒字額は86億ユーロもあって、これは前年同期の黒字10億ユーロの9倍だ。これだけ黒字を抱えた国の通貨、ユーロはなぜ下落しているのか? 貿易黒字国の通貨が下落するのはおかしなことではないか。
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