経済も天災もすべてはアメリカのせい――とロシア人は言う
ロシア人と言えば、アメリカと同等でありたいと思い(日本にもそんな人がいたが)、同等であり得ないからこれを憎み、なおかつ彼らが同等になりたいと思うアメリカとは、白人が葉巻をくゆらしつつ他人種を奴隷として従え、城のような邸宅に住んでいる、という19世紀「風とともに去りぬ」の世界なのだ。どうしようもなく、ひんまがったコンプレックス。
それが抜けないから、今でも世界の悪いことの大体はアメリカのせいにしたがる。今年の8月、モスクワは40度にもなろうという猛暑に見舞われ、地下の泥炭に火がついて海軍の大倉庫(なんで海軍の倉庫が陸上奥深くにあるのかは知らない。襲われないようにという配慮だろう)に積んであった物資が灰に帰したほど。
そこで8月3日のコムソモルスカヤ・プラウダ紙はこんな面白い記事を載せたそうだ。
――「アラスカはアンカレッジの北東250キロのところに、HAARPというオーロラ研究用の軍施設がある。14ヘクタールもの敷地に22米の高さのアンテナが180もならび、360もの発信器から360万ワットの電波を発信している。モスクワ大学の某教授によれば、この施設ができた1997年以来、世界には地震や異常気象が相次いでいる。これはオーロラ研究とは言いながら、実態は強力な電波で世界中の電離層を撹乱し、異常気象や地震を起こさせる天災兵器なのだ」と。
これは面白いと思ってインターネットを調べてみたら、ウィキペディアに詳しい説明が載っていた。 これによると、この施設はミサイル探知などに電離層を活用できないかどうかを調べるためのものだが、陰謀説を好む世界中の人間たちの格好の話題になっているのだそうだ。ノアの箱舟の時代には存在していなかったから。
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