米国が国連から脱退する日
(これは10月24日発行のメルマガ「文明の万華鏡」第78号の一部です)
トランプ大統領は9月25日、国連総会で演説し、その冒頭「就任直後の2年間で私ほど多くのことをやり遂げた大統領は、史上あまりいない」と胸を張った。その直後、満場の聴衆はどっと沸く。嘲笑したのである。この1年半、世界がトランプをどのように見てきたか、それが如実に示された場面であった。
だが、トランプは辱めを嫌う。おそらくこの時トランプは、国連をたたきつぶしてやろうと思ったことだろう。米国は既にユネスコや人権委員会のような国連機関から脱退している。そして米国人は本能的に、国際機関を嫌う。自分達より上の存在に何か命令されるのを極度に恐れているからで、これは宗主国英国に痛めつけられた記憶がDNAとして残っているのかもしれない。だからトランプが、ニュー・ヨークの国連本部に出ていけとツイッターする日も近いかもしれない。
そしてそれを察知したからこそ、ニッキ・ヘイリー国連大使は年末までに辞任することを明らかにしたのではないか? 彼女はもともと、大統領候補としてのトランプをおおっぴらに批判していた人物である。このまま職に残っていては、米国史上最大の汚点となるだろう、国連脱退という芝居を自ら演じさせられ、大統領選立候補の夢を断ち切られるのではないかと考えたことだろう。そしてヘイリーに次ぎ、マティス国防長官、セッションズ司法長官も政権を去っていくようだ。2020年の大統領選挙までには、トランプとそのお友達政権は暴発に暴発を重ね、ぺんぺん草も生えない窮状に米国を追いやっているかもしれない。
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