2011年5月21日
日本は世界から何を期待されているか?
今日、僕よりもっと若い世代(と言ってもわずか40年程)人たちを相手に、外交のことなをしゃべった。
事前に出ていた質問に、「日本は世界から何を期待されているのですか?」というのがあった。
これはよほど余裕のある人の質問ではないか? 世界のなかで、「私は世界から何を期待されているのだろう」と常に思いながら行動している国は皆無。「自分は何をしたいのか。何を手に入れたいのか。」から出発するのが普通のことだ。
いろいろな国に対して「あなたは日本に何をして欲しいですか?」と聞いたら、みんな怪訝な顔をし、次の瞬間「これはいいカモがきた」と言わんばかりの笑みを浮かべて、「う? そりゃ、10億ドルほど援助をくれないかな」、とか「そうだな。今度どこそこでのPKOに自衛隊を出してくれないかな」とか言うだろう。
世界中の国が欲しいものは、カネ、兵力であるに決まっている。また援助してくれるにしても自分達の内部のことには口を出さないでもらいたいと思っているだろう。
日本は自らは満ち足りたから、他国の望むことをしてあげられる――こういう時代はもう過ぎた。今はしゃにむに自分の利益を追求するべき時。ODAも、そのために必要だ。
まず「自分がしたいこと」は何なのかを認識し、KYにならないように、うまくその目的を実現していく。われわれは、もっとエゴイストであるべき時代だろうと思う。
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