Japan and World Trends [日本語]: 米国は日本の核武装を望む？

日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。

2011年2月19日

米国は日本の核武装を望む？

もう２～３週間前、評論家の日高義樹の新刊の広告で、たしか「米国は日本の核武装を望む」という趣旨のキャプションがおどっていた記憶がある。僕は、「ああ、それはそうかもしれないな」と思い、書こうと思って忘れていたのだが・・・・・

世界金融危機から２年以上もたったが、それまでの偽りの繁栄をグローバルに支えたアメリカ経済の復調は、まだ見えない。皆もうてんでんばらばら、そして金融危機克服のために米国が印刷した大量のドルは世界の諸方でインフレを起こし、それが原因で中近東ではデモが起きている。そして肝心のアメリカは自分のことで精一杯で、中近東の危機を強力に鎮める力も意欲もない。イスラエルはさぞかし、はらはらしていることだろう。

オバマ政権はアジアに重点を置くと言っているが、中国との利害の対立が核兵器を使っての脅しに及んだ場合、どこまで同盟国を守ってくれるだろう。核弾頭搭載の巡航ミサイル「トマホーク」はもう太平洋地域からは撤去されてしまったから、北朝鮮、中国の核ミサイルに対する抑止の手段としては米本土あるいは米原潜から発射する戦略ミサイル、またはグアム島から発進する核爆弾搭載の爆撃機くらいしかなくなってしまった。

だが戦略ミサイルを発射すると、ロシアが自分に向けられたと誤認して、対抗手段を取りかねない。だから米国は、それを軽々には使えないだろう。爆撃機では撃墜されやすい。これから太平洋に配備しようとしている通常弾頭装備の巡航ミサイルでは、はたしてどこまで核攻撃に対する抑止として機能するか。

だから米による核の傘はわりと透けてきている。米国としては、日本が核武装して自力で対処してくれる方が、自国に対する核攻撃のリスクを減らせるし、核武装した日本と同盟を維持すれば中国に対するバランスを維持しやすくなる――このように考えても不思議でない。

日本の選択肢はこの場合、①米国の核の傘を信ずる、②北朝鮮、中国の良識を信ずる、③核武装する、などだろう。
しかし、日本の政治がいつまでも運転席の奪い合いでらちがあかないならば、日本は国家としての体を失うだろう。

■ 投稿者: 関　淑子 | 2011年3月 1日 18:13

1981年から98年まで米国に住んでいましたが、米国は日本を恐れていると思います。理由は、日本が世界基準から見ると極めて非論理的な行動を取ることです。

日本は中国、ロシア、米国と自分よりも大きくて強い国々と戦争をしました。ギャンブルですね。

分析すれば、いずれの場合も、日本が戦争をしなければならなかったか、理由は分かりますが、専門家が国民にきちんと説明していませんから、殆どの国民は理由を理解していないだろうと思います。