Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
ChineseEnglishRussian

政治学

Automatic Translation to English
Automatic Translation to English
2010年6月19日

戦後はみんなもたれ合い――マスコミも

今の日本の状況は、マージャンで言えば風向きが変わっても牌をがらがらただかきまぜているだけだった鳩山政権から、やっとゲームが開始されるかされないか、というところ。

戦後日本の内外政の総点検をやってほしい。1980年代の初期、輸出主導の経済繁栄に酔い、「欧米に学ぶものはもはや何もない」と豪語したときが、日本がその頂点から滑り落ちる号砲だった。1985年のプラザ合意で円の対ドル・レートを2倍、3倍にも押し上げられ、5年間のバブル景気も束の間、冷戦が終わったこともあって使用価値の下がった日本は経済大国の地位から蹴落とされてしまった。失った外需を内需で代替すればいいと言われても、その額は大きすぎ、インフレを起こすことなく実行することはできなかったろう。

誰が悪いかと言ったら、それは対米輸出に過度に依存して無理な繁栄を築いた日本の方にも非はあるだろう。

だから今の政権の最大の課題は、日本経済を20年間の停滞から、再び成長軌道に乗せることだ。経済力がなければ、外交でも迫力は出ない。労働人口が減るから駄目だ、などと弱音を言わず、女性や60代の年長者(老人じゃないぞ)がもっと働ける環境を作れば少々の人口減少など吹き飛んでしまうではないか。それに人口は減り、全体のGDPは伸びなくとも、一人あたりのGDPさえ上げれば(生産性を上げれば)、分配の問題の多くは解決しやすくなる。

ただ、戦後日本のまやかし、もたれ合いをそのままにして、先に進みたくはない。真剣勝負の働き方ができるようにしたい。米国に安全を保障されているのをいいことに、政治家はリーダーシップを取るよりも支持率を上げることに汲々とし、官僚も永田町と霞が関の狭い範囲で法律と予算を通していればよく、マスコミも安易な独占に乗ってニュースを演出・脚色しては収益を上げ、学校はぬるま湯の社会のなかで問題を起こさず生きていくことばかりに長けた人材を社会に出してくる。

折角政権を変えたのだから、社会保障を拡充することだけでなく、その社会保障の基盤となる経済・社会の大掃除もやって、本当の活気を社会にみなぎらせてほしい。

(でも本当に、次の参院選ではどの政党に投票するべきか、迷いますね。民主党に思いっきりやってほしいと思う反面で、この10カ月の悪夢のような日々が思い出されるし・・・)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.japan-world-trends.com/cgi-bin/mtja/mt-tb.cgi/1051