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政治学

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2014年5月24日

集団自衛権空騒ぎ

集団自衛権がすっかりマスコミの餌食になっている。半年ほど前、特定秘密保護法とやらが世界の終りででもあるかのように扱われていたが、今では誰が覚えているだろう。
それが終わると今度はTPPにマスコミは飛びかかり、これがあたかもアメリカの陰謀で、押し付けで、締結したら日本は皮しか残らないようなことを言う。

TPPの結論は出ていないのに、今度は集団自衛権。憲法の解釈を変更したら(現在の解釈こそ、随分ひん曲がったもののように見えるが)、日本は地球の果てまでも米軍に引きずられて戦いに行かねばならなくなる、のだそうだ。

しかし日米安保条約を読むと、「地球の果てまでも」とはどうも読めない。集団自衛権が関係してくるのは、下記の第5条下線部が示す、「日本国の施政の下にある領域」だけではないのか? あるいは、今はっきりしていない定義を、そのように限定するべきではないのか?

軍事技術が進む現代、米軍とは協力しようと思っても、技術的に難しい時が増えてきた。米軍は高度にIT化されているので、そのネットワークにすぐ飛び込むわけにいかないからだ。そして、米軍はどんどん「アウトソーシング」化(要するに傭兵の多用)を進めてもいる。そして無人飛行機は多用されているし、そのうちにはロボット兵士も登場してくる(アフガニスタンではロボット駄馬が活躍しようとている)だろう。そうなると、米国の軍事行動に対しては資金を供出するだけで感謝される時代が来るかもしれない。

日本の施政権内地域・海域・空域で日本を守って行動している米軍を、横で作戦している日本自衛隊が守ることもできない――この点を直すための集団自衛権行使是認なら僕は賛成だ。それさえできない国家は、米国に平等性を求める資格はない。

法制局は、自衛隊が海外にまで引っ張り出されることを防ぐために(朝鮮戦争前後には米国はそれを望み、吉田総理はそれを拒絶した)、硬い解釈を堅持してきたのではないか? それが独り歩きして、今や政局にも利用されている――そういう構図に見える。


「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」より

第四条

 締約国は、この条約の実施に関して随時協議し、また、日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。

第5条

 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危機に対処するように行動することを宣言する。

第六条

 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。

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