2013年5月10日
日本は 保守にも左にも 反米分子
日本で戦争をめぐる歴史の見直し(要するに悪いのは日本だけではないということ)とか、戦前の古き良き価値観の再評価とか、自民党が政権を取ってから、そういう声がまた大きくなっていて、それはアジアだけではなく、他ならぬアメリカでも警戒の念を呼んでいる。
それは当たり前だ。要するに、言うことをつきつめれば、「アメリカも謝れ。日本はこれから一人でやっていく」ということになるからだ。
民主党が政権を取った時は、これはまた違う立場から、アメリカをアジアから閉め出せという声が高まった。日本の基地からは出て行ってもらって有事だけ助けにきてもらえばいい(虫がいい)とか、東アジア共同体にはアメリカはいれないとか(最大の市場であるアメリカを入れずにどうやって経済共同体が成立するのか?)、いろいろ。
要するに自民党も民主党も、その右と左の極に反米性を内包していて、これは物言わぬ中間層の気分を反映していない。中間層はアメリカに謝れと日本政府が要求するとか、アジアから閉め出すとかいうことは、労多くして害多しということを知っているのだろう。
民主党の失敗の原因の一つは、この嫌米主義にあおられて外交が行き詰ったことにある。自民党もこのまま行くと、外交だけでなく国内でも立場が危うくなりかねない。
何を考えようが何を言おうが自由だが、労多くして害多しという、国民の大多数には利益にならないことを日本政府にやらせようとするのは、民主主義のルールに合っていない。
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