2011年7月21日
レストランもうたかたの如し
天災にさいなまれた鎌倉時代の京都。うだつの上がらないインテリ、鴨長明は書いた。
――行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し――。
僕も地震のあとすっかり、この一文の気分になっていたのだが、今日その傷に塩を塗られるような目にまた会った。
職場の近くのレストランに友人たちと行ったところ、もう永遠にあるだろうと思われたそのレストランが、高層ビルの2階にぽっかりと歯の抜けたあとのような空洞を見せたまま、閉鎖されていたのだ。わりと名の売れたチェーンの店なのに、日本じゃ珍しいよな。こう簡単に閉鎖というのは。
後で調べたら、チェーン自体はつつがないようで、結局職場の近くの店だけがもうリストには載っていなかった。
アメリカではこういうことがしょっちゅうある。航空会社だって、パンナムとかTWAとか言ったって、もはや全然通じない。デルタとかUS Airwaysとか。レストランもそう。
だが日本までそうなってしまうのは、少し味気ないではないか。
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