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2011年1月 8日

住まいについての期待値が変わるとき

この頃、近所の一戸建ての家が建て替えられるのが多くなっている。世代交代。
200平米くらいの土地だと、だいたい2分割され二戸の家が建てられている。

さぞかし内部は狭かろうと思って見学すると、あにはからんやリビングは広いし、浴室は整っているし、部屋数も十分で、庭こそなくなったがガレージもついている。空間の使い方がものすごくうまいし、快適な生活スタイルを演出している。

僕が40年前留学から帰って以来、切望していた東京の住宅水準の向上がやっと実現してきた。40年ですよ。40年。
6畳間とか4畳半とか、ちまちました空間の区切り方からやっと解放されたのだ。この6畳間とか4畳半、江戸時代の長屋にもあったのだろうが、新しくは戦前の東京郊外に「中産階級用の文化住宅」が大量に建築された時にさかのぼるのだろう。その「文化住宅」とやらの実例は、新宿区の歴史博物館に陳列してあって、これはこれでものすごく懐かしいものなのだが。

今日、住宅業界の友人に聞いてみたのだが、住宅に対する日本人の要求水準が変わってきたというのは事実のようで、「今ではリビングは広さを求められるし、6畳間とかいうのよりも、家具を実際に置いてみてどんな感じになるか、居住の実感が大切なのだ」ということだった。

「自分もこういう生活がしてみたい」というモデルがどこかにないと、みんなの生活など良くなりはしない。それでは何のために働いているのか、わからなくなる。

人々の意識は変わるのだ。数十年かかるとしても。ならば、次のモデルは、電柱を地中に埋設することにしませんか? 景観、そして心の持ちようが一変するから。すっきり、ゆったりになる。

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