2010年12月18日
経済発展モデルの根本的変化
中国、インドの台頭で、「経済発展」のモデルに大きな変化が起きた。これまでは、経済発展に必要なカネ、技術、労働力などは大体地場のものが中心でやってきたのだが、中国、インドの場合、低賃金労働力と大市場にひかれて「先進国」の大企業がカネと技術を持ちこんでくる。
確かにオランダは17世紀から18世紀、昇竜の勢いの英国に資本をつぎこんだし、その英国とオランダは19世紀昇竜の勢いのアメリカ合衆国に技術と資本をつぎこんだ。明治・大正の日本の経済発展だって、外国からの技術と資本なしには実現しなかった。だが現在の中国、インドの場合(特に中国)には、それとはけた外れに外資の比重が大きいのだと思う。
西側の企業は、いちど中国やインドに立地してしまえば、いつでも現地政府に接収されておかしくないのだが、WTOとかその他の法制で所有権というものが確保されているために、なんとかやっていける。
だが中国、インドのエリート層は、これら外国資本の中に自分たちの居場所を何とか拡大しようとするし、労働者もまたより大きな分け前を要求する。工場が海外に行ってしまった、旧「先進国」の大衆たちは、どこから分け前を要求したらいいのか? これからは、中国、インドが旧「先進国」にODAを供与する時代になっていくのか?
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