2010年8月29日
日本はデフレで欧米の一周先? そんな阿呆な
2000年代前半、米国のバブルに乗った輸出で演出した「日本経済の力強い復活」。
それがリーマン・ブラザーズであえなく消えて、欧米までが内需不足のデフレに直面すると今度は、「日本はデフレで欧米諸国より一周先をいく。教訓をたれることができる立場にある」と言わんばかりの論調が目立つ。
いじましい。日本経済はその力強さで世界をリードすることはもうできないから、今度はデフレで先進国というわけか。欧米の半分くらいのサイズの住宅に住んで、先進国もないだろう。
工業生産の空洞化に悩んだという点では、60年代、日本からの集中豪雨的輸出にすっかりやられてしまった米国の方が、日本よりもともと40年先を行っていた。
空洞化のあと需要拡大に失敗したのは、なるほど日本が世界でも早い方だが、それは日本が欧米に比べて需要拡大手段に乏しい、あるいは需要拡張に臆病だったという、弱みを表すものに過ぎないではないか。
あまりいじましいことを言うより、国内生産比率と法人税率を逆比例させるなりして、なんとか成長と雇用を維持することを考えてほしい。
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