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2009年10月21日

「ドイツ的な音」--バンベルク交響楽団

武蔵野市の文化ホールにバンベルク交響楽団を聞きに行った。ここは昔武蔵野市役所だったところ。道路の向かいは市立図書館で、小学生の僕はここによくやってきて「シートンの動物記」などをよく借り出していた。武蔵野市ーー多分中島飛行機の工場が戦前にできたことで大きく飛躍したのだろう。今では本当に小奇麗な住宅地になった。もう住んでないけど。

で、バンベルク交響楽団。ドイツ南部バイエルン州の北、ワーグナー楽劇の聖地バイロイトの近くの田舎町にある交響楽団。チェコのプラハでオケをやっていたドイツ人達が、戦後共産化されたチェコを嫌って住みついた先がバンベルク。その発生からして非常にドイツ的なオーケストラだから、いつかは聞いてみたいと思っていた。この頃は、所沢の文化ホールにアムステルダム・コンセルトヘボー楽団が来たり、武蔵野市の文化ホールで5000円でバンベルク交響楽団が聴ける世になったのだ。家の近くの「こもれびホール」には、さすがにそんな有名オケは来ないけど。

いい音だった。近頃はやりのクリームを塗りこんだような滑らかそのものの、どのオケでも同じような音ではなくて、いわゆる古いドイツの音なのだ。バイオリンのヴィブラートが少なめの感じがあって、色気のない男性的な音が一直線に迫ってくる。前半はピアノ協奏曲で、そのピアノが楽器として少々響きが足りない感じがしたのが物足りなかったけど、それだけ聞いて満腹してもう吉祥寺のハモニカ横丁に移った。そのあと、一日中ぐったり疲れていた。すごい音だったよ、あれは。

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