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2009年5月30日

産軍複合体の桎梏

第2次大戦の経済的後遺症に悩んでいる国がいるとするなら、その筆頭はロシアだ。
戦争で肥大した軍需産業が戦後も残り、冷戦で煽られて限りなく予算と資源を要求し、ソ連末期には工業生産のおそらく60%くらいを占めてしまったからだ。消費者の需要よりお上の決めた経済計画を達成していれば給料がもらえたソ連社会では、消費財生産は伸びなかった。今では耐久消費財のほとんどは輸入で、ロシア経済を石油依存体質にどっぷりつけてしまった。

米国でも大戦で肥大した産軍複合体の政治力は大きいだろう。だが米国では戦前から始まった生活の近代化が家電製品や自動車への大変な需要を生み出し、こちらの方が戦後経済の主流になった。

ロシアの地方都市の中には、軍需の大工場に税収、雇用を依存しているところがいくつもある。そしてそのことが赤字企業の切り捨て、経済改革を妨げ、軍の合理化を妨げている。

米国も60年代後半から製造業が徐々に空洞化し、軍需産業の比重が高まっているはずだ。
「だから米国は間断ない戦争を必要としているのだ」という議論をこの頃見るが、僕はそこまでは信じない。それとも・・・?

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