2024年7月11日
悪いのは旧い規制なのか、自動車会社なのか
この頃は、「錚々たる自動車企業たちが、国土交通省の定める検査をごまかして売り上げを増やしていた。けしからん」という事例が相次いだ。これで生産ラインが止められて、日本のGDPが下押しされたりしている。
でも話を聞いてみるとこれは、日本の自動車会社の「隠ぺい体質」と言うよりも、検査基準が時代遅れのものになっていることに原因があるようだ。たとえて言えば、「鉄板加工の精度を物差しで測れ」と政府の基準では書いてあるのだが、自動車会社の方はそんなことをしていたら、人手が足りなくなるので、ずっと以前から音波などで一度で大量に、物差しなどよりよほど精度の高い検査をしている。
ならばそうとはっきり言えばいいのに、そこは役人の面子をつぶすと後がこわい、或いは内部告発をした不満分子がまた新たな情報をリークしかねない、ということのようだ。加えて、マスコミは、自分たちが悪者と決めつけた者が反論を始めると、袋叩きにして、自分たちの報道の正しさを守ろうとするから、企業の方は謝っておいた方が無難、ということになる。
この芝居、ロシアの作家ゴーゴリが生きていれば、「査察官」のような、おちゃらかし喜劇をいくつも書いてくれたことだろう。
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