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2024年6月30日

モスクワ州 中国に掘りまくられる  

6月4日付Jamestownは、Paul Gobleという、ベテランのロシア専門家が書いた面白い記事を伝える。これによると、中国の企業が最近、モスクワの周りをぐるりと囲むモスクワ州(面積は東京都の約20倍だが、ロシアの州の中では55番目の大きさでむしろ小ぶり)で、石油、天然ガス、リン鉱石、石炭、希土類などの開発権を取得。1990年代初めに閉鎖された(多分、ソ連崩壊直後の大混乱のためだろう)採掘場の再開作業を開始したそうだ。

もともと、1953年に合意はされていたのが、中ソ論争で駄目になっていたものだろう。モスクワ州の鉱産物と言われてすぐ思いつくのは泥炭。モスクワ州の下は泥炭でできているも同然で、猛暑でよく自然発火する。インターネットで調べてみると、他に石灰石、火打石、蛍石などがとれる。でもさすがに石油・天然ガスの鉱床があるとは書いてない。ただ東京の地下にも、天然ガスの小さな鉱床はあるそうだから、モスクワでもそのくらいのものはあるだろう。

問題は、鉱産物の開発権を外国人に与えることにロシア人は神経質なので(ロシアの大衆は、地下の資源は自分達のものなのだと信じている)、少しでも環境汚染を起こそうものなら、抗議の波が起きかねない。シベリアでは、中国人の開発・建設案件に対して、よく現地住民が反対運動をやっている。首都モスクワで反中デモが起きるのは、格好がつかない。

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