2018年8月 9日
げにすさまじきもの その10 なんでも 何々させてもらう 日本人
この頃と言うか、もう数年耳障りに思っていることがある。それは、謙遜のあまりなんでも「何々させていただきました」という日本語がスタンダードになってしまったこと。
日本はムラ社会で、人間は一人だけ目立ってはいけない。そのためだろうか、なぜか新しい言葉づかいが執拗に出てくる。「私、きのう井の頭公園に行ってきたの」でも、井の頭公園の語尾を上げて、自分の言い方が正しいかどうか、相手の同意を得ようとする風情を見せる。いちいちうなずかなければならず、煩わしい。
それが今日この頃では「私、きのう井の頭公園を見物させていただきました」となった。スポーツ選手もオリンピックで、「今日は金メダルを取らさせていただきました」と言う。
これは、東日本地震で社会のきずなが重視された頃からの現象だろうか? きずなが重要なのはその通りだが、これほど自分、自分の意志の存在を隠す文化は異常だ。息がつまる。
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